研究課題/領域番号 |
20J11179
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松澤 拓郎 東北大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2020-04-24 – 2022-03-31
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キーワード | ヘパラン硫酸 / Heparanase / 糖尿病 |
研究実績の概要 |
ヘパラン硫酸分解酵素であるheparanase阻害剤開発のためのheparanaseの精製から着手した。human brainから抽出したRNAを用いてheparanaseを精製してベクターに組み込み、大腸菌を用いてクローニングを行った。クローニング後、サンガーシークエンス法によりDNA配列を確認した結果、精製したヒトheparanaseに一塩基置換が起きていることが明らかになった。そこで、ヒトheparanaseの精製を今度は、ヒト肝癌由来細胞株であるHepG2細胞から抽出したRNAを用いて行った。精製後は同様に大腸菌を用いてクローニングを行い、ヒトheparanaseが精製できていることを確認した。次に、精製したヒトheparanaseから活性化型ヒトheparanaseを得るために、ヒト胎児腎細胞由来であるHEK293細胞にトランスフェクションを行った。トランスフェクション後、時間経過ごとに培地を回収し、ウエスタンブロットを行うことで活性化型ヒトheparanaseが分泌されているのかを確認した。その結果、トランスフェクション3日後において、活性化型ヒトheparanaseが一番分泌されていることがわかった。今後はまず初めに、分泌された活性化型ヒトheparanaseがヘパラン硫酸をきちんと分解することを確認した後で、ヘパリンセファロースを用いるなどして活性化型ヒトheparanaseだけを単離していき、阻害剤開発研究へと応用していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
heparanase精製と共にheparanaseノックアウトマウスの作製・解析も行う予定であった。heparanaseノックアウトマウスの作製を行うために、カナダの会社からheparanase-floxマウスの凍結精子を購入したが、コロナウイルスの影響で凍結精子が届くのが遅延した。また届いた凍結精子から生まれたマウスの遺伝子型を確認したところ、heparanaseの遺伝子座にloxP配列が組み込まれていないことが判明した。そのため今現在は、もう一度凍結精子を買い直して、届くのを待っている状態であり、heparanaseノックアウトマウスの作製が出来ていないため、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
分泌された活性化型ヒトheparanaseがヘパラン硫酸をきちんと分解することを確認した後で、ヘパリンセファロースを用いるなどして活性化型ヒトheparanaseだけを単離していき、阻害剤開発研究へと応用していく。また凍結精子が届き次第、マウスを作製し、順次解析を行っていく。
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