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2020 年度 実施状況報告書

脱人間化社会における責任概念の再考:哲学・思想史・応用倫理の架橋的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 20K00014
研究機関立教大学

研究代表者

渡名喜 庸哲  立教大学, 文学部, 准教授 (40633540)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードエマニュエル・レヴィナス / ハンナ・アーレント / ギュンター・アンダース / フランソワ・エヴァルド / 責任
研究実績の概要

今年度はコロナ禍のため予定していた国内外の出張がすべて取りやめになるなど、大幅な研究計画の変更が余儀なくされた。とはいえ、そのなかでも以下の成果を挙げることができた。
①研究計画書に記したように、初年度はフランソワ・エヴァルド『福祉国家』の精読を主たる内容としていた。これについては着実に進めることができた。
②ハンナ・アーレントおよびギュンター・アンダースに関しては、アーレントの責任概念に関する考察を『アーレント読本』にて公刊したほか、アーレントの戦争経験に関する論文を上梓した。また、アンダースの戦争責任論についての英語での論考を公刊した。さらに、日本アーレント研究会の大会・研究会等に継続的に参加し、最新の研究状況について情報交換をした。
③レヴィナスについては、本研究課題に先立つ研究成果を単著としてまとめることができた。これについて関連研究者からの専門的知見を受け、本研究課題に生かしたい。なお、レヴィナスについては、さらに遠隔技術時代におけるその倫理思想の意義についての論文を上梓した。さらに、レヴィナス協会の大会・研究会等に継続的に参加し、最新の研究状況について情報交換をした。
AI時代の倫理学的問題についてはさらに、ドローン(無人爆撃機)の使用の倫理学的問題についての小論を上梓したほか、介護分野へのAI活用における倫理的問題について「日本在宅医療連合学会」シンポジウムにおいて研究成果を発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記のように、コロナ禍において国内外への出張の計画は実現できなかったが、その代わりに、関連資料の精読および研究成果の公表については予定以上の実現したため。

今後の研究の推進方策

コロナ禍の状況にもよるが、とりわけ国外出張を利用しフランスにおける資料収集および専門的知見の交換の機会を持ちたいと考えている。これについては、すでにフランスの研究者とオンラインで複数回会合の場をもち予定を立てている。
国内で遂行可能な文献精読や研究発表については予定通り行っていく。

次年度使用額が生じた理由

2020年度はコロナ禍のため、予定していた国内外の出張がすべて取りやめとなった。それにより、出張によって購入を予定していた研究資料についても大幅に削減せざるをえなかった。
これにより生じた次年度使用については、当初の予定通り出張旅費、研究資料の購入費に充当する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 「遠隔と接触:リモート時代におけるレヴィナスの「顔」」2021

    • 著者名/発表者名
      渡名喜庸哲
    • 雑誌名

      『現代思想』

      巻: 49(1) ページ: 120-127

  • [雑誌論文] アーレント・難民・収容所(1)2021

    • 著者名/発表者名
      渡名喜庸哲
    • 雑誌名

      『境界を越えて : 比較文明学の現在』

      巻: 21 ページ: 57-68

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「「内戦」時代のドローン "人間狩り"の時代と倫理」2020

    • 著者名/発表者名
      渡名喜庸哲
    • 雑誌名

      『福音と世界』

      巻: 8 ページ: 12-17

  • [学会発表] 「介護分野への AI 活用における倫理的課題」2020

    • 著者名/発表者名
      渡名喜庸哲
    • 学会等名
      第2回日本在宅医療連合学会大会
  • [図書] 『レヴィナスの企て 『全体性と無限』と「人間」の多層性』2021

    • 著者名/発表者名
      渡名喜庸哲
    • 総ページ数
      528
    • 出版者
      勁草書房
    • ISBN
      978-4-326-10289-1
  • [図書] 『アーレント読本』(担当箇所:渡名喜庸哲「責任・道徳・倫理 アーレント責任論の意義と限界」)2020

    • 著者名/発表者名
      日本アーレント研究会、三浦 隆宏、木村 史人、渡名喜 庸哲、百木 漠
    • 総ページ数
      430(191-199)
    • 出版者
      法政大学出版局
    • ISBN
      978-4-588-15109-5
  • [図書] Il nucleare: una questione scientifica e filosofica dal 1945 a oggi(担当箇所:Yotetsu TONAKI「Gunther Anders or the transformation of "human" after Hiroshima」)2020

    • 著者名/発表者名
      Orietta Ombrosi (ed.), Yotetsu TONAKI, Francesco Miano, Raola Ricci SIndoni, Pablo Dreizik, Maria Letizia Pelosi, Yuji Nishiyama, Emilia D’Antuoano, Patrick Wassort, Irene Kajon, Joseph Cohen, Raphael Zagury-Orly, Wolfango Plastino et al.
    • 総ページ数
      314(129-145)
    • 出版者
      Mimesis
    • ISBN
      9788857565705

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公開日: 2021-12-27  

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