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2021 年度 実施状況報告書

脱人間化社会における責任概念の再考:哲学・思想史・応用倫理の架橋的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 20K00014
研究機関立教大学

研究代表者

渡名喜 庸哲  立教大学, 文学部, 准教授 (40633540)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードエマニュエル・レヴィナス / ハンナ・アーレント / ギュンター・アンダース / フランソワ・エヴァルド / グレゴワール・シャマユー
研究実績の概要

当初の研究計画では、1)社会思想史的アプローチとして、F・エヴァルドをもとに近代的社会制度の展開における「責任」概念の変容を検討すること、2)政治哲学的アプローチとして、全体主義体制および原爆投下をめぐるH ・アーレントとG・アンダースの思想を検討すること、3)現象学的アプローチとして、E・レヴィナスの現象学的哲学における「責任=応答可能性」 概念を実践的な文脈へと接続しうるかたちで検討しなおすこと、4)応用倫理的アプローチにより、AI開発における人間の行為の代替化に伴う「責任 」の変容を検討することが挙げられていた。
今年度は、1)についてはエヴァルドの主著で「責任」概念を扱う『福祉国家』の翻訳を進めた。2)については、全体主義体制における収容所体制をめぐるアーレントの思想についての所属学科の紀要に論文を執筆した。3)については、共著書にてレヴィナスの「責任」概念の実践的な側面をめぐる考察を行った。また、昨年度に学会シンポジウムで発表したドローンをはじめとする遠隔技術使用に関する問題をめぐって、グレゴワール・シャマユーとエマニュエル・レヴィナスの思想を取り上げた報告を行ったが、シンポジウムで得られた知見を含めてこれを加筆修正し論文として公刊した。また、次年度に公刊予定の共著に、「責任」概念をはじめとするレヴィナスの思想が、社会福祉制度についての哲学的考察にどのように寄与するかをめぐる考察を発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

上記研究計画のうちの4)の応用倫理学的アプローチに関して、当初は関連学会・研究会への参加を通じた研究状況の調査を予定していたが、コロナ禍の影響もあり計画通りに進まなかった。

今後の研究の推進方策

本年度は最終年度にあたるため、不足している部分(とりわけ研究計画4)を補いつつ、これまでの研究のとりまとめを行う。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた国内外への出張ができなかったため、次年度使用額が生じた。これにより生じた次年度使用については、当初の予定通り出張旅費、研究資料の購入費に充当する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 2件、 査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「アーレント・難民・収容所(2)」2022

    • 著者名/発表者名
      渡名喜庸哲
    • 雑誌名

      『境界を超えて: 比較文明学の現在』

      巻: 22 ページ: 47-64

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「現象学的弁証法の彷徨: 松田智裕『弁証法、戦争、解読 前期デリダ思想の展開史』に寄せて」2021

    • 著者名/発表者名
      渡名喜庸哲
    • 雑誌名

      『立命館大学人文科学研究所紀要』

      巻: 128 ページ: 25-40

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「遠隔時代における身体 シャマユー/レヴィナスとともに」2021

    • 著者名/発表者名
      渡名喜庸哲
    • 雑誌名

      『フランス哲学・思想研究』

      巻: 26 ページ: 99-111

  • [図書] 『個と普遍 : レヴィナス哲学の新たな広がり』2022

    • 著者名/発表者名
      杉村 靖彦、渡名喜 庸哲、長坂 真澄
    • 総ページ数
      422
    • 出版者
      法政大学出版局
    • ISBN
      9784588151224

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公開日: 2022-12-28  

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