研究課題
前年度に続き、研究分担者3名と研究協力者5名にて2022年2月28日・3月2日の2日間Zoomオンラインにて定例研究会を実施した。各分担者・協力者が研究対象としている哲学者や哲学的論争の一次文献・二自文献の内容を紹介し、当時の哲学者や心理学者が取り組んでいた問題を当時の文脈に位置づけながら理解し、現代における議論の意義を検討した。扱われた文献やテーマは以下である。J. E. Creighton (1903), “Standpoint of Experience,”、Josiah Royce(1987),The Feud of Oakfield Creek: A Novel of California Lifeなど非哲学的に思える著書、McTaggart (1927) The Nature of Existence(E. G. Broad編集)、Whiteheadの中期哲学の出来事概念の当時の観念論論者と実在論論者の解釈、J. Deweyのpractical概念とプラグマティズム理解、19世紀末の実在論(Meinong, 実在論的現象学)とパラドックス問題、E. B. Holt et.al. (1912) New Realismの知覚論における現出解釈。2021年10月「日本ホワイトヘッド・プロセス学会」第43回大会のシンポジウム「実在論をディグる―20世紀初頭の英米および大陸哲学を中心に」にて研究協力者3名がE. B. Holt(USA. New Realism)の意識概念の検討、T. P. Nun, A. Whitehead(Eng.)の第一・第二性質と知覚認知論の比較、B. Russellの論理的構成主義とG. F. Stoutの心理学との比較、をテーマに発表した。前年度の定例研究会で検討したテーマをブラッシュアップし実在論の諸相を示した。
2: おおむね順調に進展している
年度内に2回の定例研究会を予定していたが、2021年8月に予定していた定例研究会は代表者の校務多忙のため中止せざるをえなった。そのかわりに、2022年2月末の研究会では2日間実施し、その時点までの成果を全員が発表・報告した。研究協力者らは、シンポジウムでの発表ならびに、論文等の成果発表を順調に行っている。2020年度末よりスタートした、一次文献・二次文献の共有(クラウド活用)は、まだ少ないとはいえ、定例研究会にて触れた著書や論文は共有できている。文献環境は昨年度に引き続き、整備されつつある。以上の状況を踏まえ、おおむね順調に進行していると判断する。
引き続き連携研究者、研究協力者がそれぞれの研究対象(世紀末の実在論と観念論の論争やそれに関わった哲学者)を調査検討しながら、2022年度内2回(8月と2月から3月を予定)の定例研究会にてその成果を報告発表をし合う。さらに最終年度の2022年度は、限定付きであれ、個々の成果を統合し世紀末の哲学史として実在論と観念論の論争マップの作成や成果論文集の作成を実施する予定である。
次年度への繰越金が発生した原因は主に三つである。第一に、対面での定例研究会の開催の可能性を想定しつつ分担者・協力者の旅費を残していたため、第二に、国内学会や研究会への出席にて旅費が生じなかったため、第三に、2021年8月の定例研究会が中止になり協力者への謝金が発生しなかったためである。当該繰越金は、定例研究会での協力者全員への謝金、定例研究会が対面で実施可能な場合には分担者・協力者への旅費、ならびに研究メンバーが共有できるクラウド上の文献ライブラリー作成の費用として使用する予定である。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 2件、 招待講演 5件) 図書 (4件)
論理哲学研究
巻: 12 ページ: 20-35
中央学院大学 現代教養論叢
巻: 4巻2号 ページ: 1-22
中央学院大学 人間・自然論叢
巻: 52 ページ: 41-60
早稲田大学 文学研究科紀要
巻: 67 ページ: 23-40
中央大学文学部紀要 哲学
巻: 64 ページ: 67-107
中央学院大学人間・自然論叢
巻: 51 ページ: 51-69
巻: 4巻1号 ページ: 37-55
哲学
巻: 2021 ページ: 67~78
10.11439/philosophy.2021.67
表象
巻: 15 ページ: 102-116
文藝別冊 スティーヴン・スピルバーグ──映画の子
巻: なし ページ: 30-36
ユリイカ
巻: 53巻15号 ページ: 88-94
プロセス思想
巻: 21 ページ: 169-174
近代教育フォーラム
巻: 30 ページ: 185-189