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2023 年度 研究成果報告書

寛容と不寛容に関する議論形態の分析ー啓蒙期の哲学者メンデルスゾーンの事例を中心に

研究課題

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研究課題/領域番号 20K00101
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分01040:思想史関連
研究機関佐賀大学

研究代表者

後藤 正英  佐賀大学, 教育学部, 教授 (60447985)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードメンデルスゾーン / カント / 寛容 / 進歩 / 啓蒙 / フォアスト / 民族宗教 / ユダヤ教
研究成果の概要

宗教的寛容論は、近代のユダヤ人がヨーロッパ世界へ参入していく際に重要な役割を果たした思想である。本研究では、18世紀ドイツで活躍したユダヤ人の哲学者モーゼス・メンデルスゾーンを具体例として、当時の複雑な社会状況の中で、「寛容」と「不寛容」をめぐって、どのような議論が行なわれたのかを分析した。特に、メンデルスゾーンが、外側のキリスト教社会からの不寛容に対して、どのような対抗言説を展開していたのかを明らかにした。彼は、寛容という当時の流行語がマジョリティ側の同化主義に基づいていることを敏感に察知していた。これは、現代の政治哲学者フォアストの用語では、寛容の許可構想として性格づけられるものである。

自由記述の分野

思想史

研究成果の学術的意義や社会的意義

社会の分断が深刻化する近年の状況において、寛容な社会の実現は喫緊の課題である。モーゼス・メンデルスゾーンは、理性の普遍性と宗教文化の多様性の両立を目指し、ユダヤ人への差別に対抗して哲学を遂行する中で、人間の真の尊厳に対する思索を深めた人物であった。私の研究は、彼の先進的な思想の現代的意義を明らかにするものである。今回、パンデミックにより海外の学会での対面発表が中止になったことから、海外渡航のための予算を使用して、研究成果を一冊の単著として刊行した。この分野に関する情報を一般読者も読める形で提供したことは、社会的意義が大きいといえる。

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公開日: 2025-01-30  

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