研究課題/領域番号 |
20K00164
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研究機関 | 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館 |
研究代表者 |
入江 良郎 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課, 主任研究員 (70280534)
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研究分担者 |
紙屋 牧子 玉川大学, 芸術学部, 非常勤講師 (20571087)
岡田 秀則 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課, 主任研究員 (30300693)
大傍 正規 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課, 主任研究員 (40580452)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 映画 / 映画学 / 映画史 / 初期映画 / 映像文化 / 映画遺産 / ノンフィルム資料 / フィルムアーカイブ |
研究実績の概要 |
昨年度に続いて、国立映画アーカイブ内の本館(京橋)に集約させた塚田嘉信コレクションを対象として、研究協力者の本地陽彦、佐崎順昭が資料整理を進めた。本地は塚田コレクションのうち塚田の研究の礎となった多岐に渡る資料の分類と目録化を進めると共に、塚田の業績を記録化する作業を進めた。佐崎は、同コレクションのなかでも特に希少性の高く、かつ網羅されている映画雑誌の創刊号に着目し状態・内容の点検と目録化を進めた。 本年度は研究会を二回開催し、一回目(2021年12月21日)は、本地が資料整理の過程で浮かび上がったテーマである「ヴァイタスコープ初公開に関する塚田嘉信氏の考証に就いて」を発表した。二回目(2022年3月23日)には、合同研究会「NFAJコレクションを活用した映画史の再検討」として開催し、入江良郎(研究代表者)が「映画渡来史再考「吉澤系シネマトグラフ」の正体をめぐって」、岡田秀則(研究分担者)が「「キネマ文字」の定着過程を見る NFAJコレクションを中心とした映画館プログラム・チラシを例に」、大傍正規(研究分担者)が「『狂った一頁』(1926)の複数バージョンの同定と興行形態の変遷について」、紙屋牧子(研究分担者)が「国立映画アーカイブ所蔵フィルム『輝く昭和聖代 御大禮の盛儀』(1928)について」というテーマで、それぞれ発表したほか、2021年度における研究計画の進捗状況と今後に関する情報共有と意見交換をおこなった。また、入江が日本映像学会・第50回映画文献資料研究会(2021年11月27日)において「吉澤商店の国産映写機製造」というテーマで発表をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度同様に、新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受け、当初の予定通りに計画を進めることが困難であったことが「やや遅れている」要因の一つであるが、目録化の対象としている塚田嘉信コレクションの独自性から、整理作業には高い専門性と想定以上の時間を要したことが大きな要因である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も研究協力者による塚田嘉信コレクションの整理・目録化に加えて、塚田コレクションを活用した初期映画史に関する再検討を進め、これらをまとめた冊子を刊行する。また社会情勢を観察しながら 、シンポジウムの開催も目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染状況を鑑み、調査等が実施できなかったため、翌年度に繰り越し使用することとした。
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