| 研究課題/領域番号 |
20K00204
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| 研究機関 | 公益財団法人大和文華館 |
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研究代表者 |
瀧 朝子 公益財団法人大和文華館, その他部局等, 学芸部課長 (90416264)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 金属工芸 / 呉越国 / 遼 / 彫金 / 五代十国時代 / 仏教工芸 / 荘厳 / 銭俶 |
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| 研究実績の概要 |
本年度は金属工芸を中心に中国の図録や研究図書など出版物の収集とともに、可能な範囲で国内に所蔵されている作品の調査及び資料収集に努めた。12月21日に浜松市美術館において石仏および金銅仏・鉄仏の調査を行ったほか、国内所蔵作品の調査を行った。これにより、五代十国時代や遼時代、朝鮮半島の金属作品を中心に、仏教彫刻および関連する作品の実見調査を行い、使用されている鋳造および彫金技法について詳細な観察調査を行った。新型コロナウイルスの影響により予定していた海外の調査旅行を行うことが全くできなかったため、本年度に調査することができた数は少ないながらも、五代十国時代や遼時代の金工技術についてまとめられた詳細な報告や研究は少なく、貴重な調査となった。金属工芸には鉄や銅、銀、金など材質によって用いられる技法がある程度限られてくるが、仏像や仏教工芸では材質と技法による多様な表現により荘厳され、石彫と彫金技法にも関連が認められることから石仏も含めて実見調査を進めた。彫刻技術と線の表現について考察するため、研究対象とする10世紀の木版による経典の調査を併せて行った。また、これまでに行ってきた実見調査の資料や内容を整理し、金属工芸技法とその造形および視覚的効果の関係について考察を進めることに力を注いだ。今回の実見調査を通して金属工芸の装飾技法については多様な工具が認められ、視覚的効果につながる有益な情報を得ることができた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は新型コロナウイルスの影響により、本務の勤務状況や展覧会計画が大きく変更されるなど不測の事態が続いたためこれらに対する対処が必要となったほか、海外渡航および国内移動の自粛や制限により、予定していた中国での作品調査が行えず、国内調査も制限せざるを得なかったことが、進捗状況がやや遅れている主な要因である。
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| 今後の研究の推進方策 |
本研究は詳細な作品の観察調査を必要とするため、基本的には今後もこれまでと同様に状況を見ながら実地調査および資料収集して考察を深めていく。しかし、現在の状況では海外での実地調査の可能性については不確定と考えられるため、図録や研究書などの出版物による資料収集に力を入れて今後の実地調査の準備を行いつつ、これまで行った調査内容を精査し、検討・考察を進めていく予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響およびこれに伴う本務状況や展覧会計画の変更など不測の事態により、海外調査が行えず、国内調査も制限を受けたことから、調査旅費がほとんど使用されなかったため。次年度は国内調査を慎重に行いつつ、海外調査の準備および研究遂行のために書籍購入と資料分析に重点を置いて使用していく計画である。
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