研究課題/領域番号 |
20K00224
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
田中 順子 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (70299262)
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研究分担者 |
沼田 里衣 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (10585350)
三宅 博子 国立音楽大学, 音楽学部, 准教授 (40599437)
田島 明子 湘南医療大学, 保健医療学部リハビリテーション学科作業療法学専攻, 教授 (80550243)
竹内 いつ子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (30760665)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 実験音楽 / 福祉領域 / コミュニティー音楽活動 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、実験的音楽活動の福祉領域における意義を解明することである。そのために、研究期間中に以下の5項目を明らかにすることとしている。①実験的音楽活動の国内外の実践実態、②実験的音楽活動で使用される実験音楽の特性、③実験的音楽活動におけるエビデンスに基づいた効果、④実験的音楽活動の福祉領域的意義、⑤実験的音楽活動の普及に有効なプログラム。 令和2年度の研究実施計画では、①を実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大による行動制限で実施することができなかった。 一方、研究の全期間にわたり実践研究の対象としている、研究代表者が主宰する音楽ワークショップは、遠隔もしくは対面で、万全の感染症対策をとって予定どおり毎月実施することができた。各ワークショップ後は、参加者に自由記述による感想を求め、研究代表者と研究協力者で行動分析、作品分析とワークショップの振り返りを行い記録した。 ワークショップは、既成音楽の制約に捕らわれない音楽実験の場として機能し、朗読と即興演奏のコラボレーションなど、新規的芸術表現を創造することができた。また、それにより参加者の自信や自己肯定感の向上を確認することができ、実験音楽の意義の一端を明らかにすることができたことは収穫であった。さらに、ワークショップのドキュメンタリー映画制作に着手することができたことは、大きな前進であったと考える。 以上より、②、④、⑤については一部であるが研究を進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和2年度の研究実施計画では、実験的音楽活動の国内外の実践実態を調査し体系化することで、国内外の実験的音楽活動の共通性や差異を解明する予定であったが、実行に移すことができなかった。その理由として、新型コロナウイルスの感染拡大により、予定していたイギリス、東京、北海道の実験音楽を用いている活動団体の視察・インタビューが困難となったことが挙げられる。 訪問が困難な団体については、代替案としてWeb上で書面によるアンケート調査を実施することも考えた。しかし、面識がなく関係性が構築されていない団体に対して、調査の趣旨を正しく伝えかつ要望どおりの協力が得られることは困難と考え実施しなかったことも、研究遅延の理由の一つであると考える。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の影響による国内外の移動制限が今後も継続される場合は、視察を令和3年度以降に延期をするか、もしくはZoomなどのオンライン視察・インタビューに変更することで、研究遅延について対処する。さらに、現在の環境条件下でも実施可能な研究を先に行うなど、研究計画の順序を変更することで対処する。 具体的には、実験的音楽活動と従来的音楽活動の比較検討、実験的音楽活動の福祉領域における有効性に関連すると思われる要素の抽出、ワークショップの実践者および参加者へのインタビューによる実験的音楽活動の福祉領域における意義の解明などを、令和3年度は優先して実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 当該年度に予定していた国内外の視察が実施できなかったことが、次年度使用額が生じた主な理由である。その他の理由としては、楽器類、図書の購入が予算よりも少なかったことが考えられる。 (使用計画) 当該年度に予定していて実施できなかった国内外の視察が可能となれば出張費として計上する。また、当該年度に購入できなかった楽器類および図書の購入を計画する。
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