本研究は、1950年代後半から1970年代前半を中心とする日本の実験映画を対象に、作家作品研究や領域横断的な研究の発展のみならず、新たな作家や作品の発掘、デジタル化を含めたネガ・ポジの修復、オリジナルや複製素材の保存、関連資料の収集といったアーカイブ的作業によって研究基盤を整備するとともに、インターメディア的特徴をいかした上映や展示の実践を通じて、フィルム・キュレーションという方法論の学術的考察を目指した。三年度に渡り、対象となる作品の修復保存、デジタル化、資料調査を継続しながら、歴史的な検証を進め、日本、北米、欧州などでの展示、上映、講演などを通じて、その研究成果を発表した。
|