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2022 年度 実施状況報告書

日本語と日本手話のバイリンガル児の言語使用に関する質的調査

研究課題

研究課題/領域番号 20K00559
研究機関関西学院大学

研究代表者

平 英司  関西学院大学, 産業研究所, 専門技術員 (10837404)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワードバイモーダル / 手話 / 言語発達
研究実績の概要

コロナ禍の折、新たなデータ収集は難しい中、バイモーダル児の家庭での会話に関する既存のデータについてデータベース化をすすめた。
データベース化はElanを用いて行われ、2~3週に一度、アノテーターである手話通訳者と日本手話ネイティブであるろう者、および平(手話通訳士の資格をもつ)で協議、確認しながら進められた。結果、19件の家庭での会話データのデータベース化を行うことができた。
また、バイモーダル児の言語獲得の状況について、関西学院大学手話言語研究センターの研究成果報告会の中で、発表をすることができ、2023年度には論文化を目指す。
バイモーダル児の言語獲得について、聴児やろう児の音声言語や身振り、手話の発達との類似点がみられた。具体的には、2語文、3語文といった文構造やMLUといった統語的発達がみられたり、指さしの機能が具体的に物を指すものからより抽象的で文法機能を帯びるものに変化していくといった類似点がみられた。また、身振りから手話への移行の際に、一旦手話の使用割合が減少し、身振りの割合が高まる時期がみられることも、ろう児の言語発達と類似している。この時期は、手話を獲得していくと同時に、手話が分からなくても、視覚的表現によりコミュニケーションを発展させていく時期であり、それにより身振りの割合が増加していると考えられる。
手話の入力環境はろう児やコーダに比し少ない状況であり、手話言語の産出能力も低い中、身振りから手話言語への発達の状況などに類似点がみられることは特筆すべき点であり、今後さらなる分析をすすめていく。
また、これまでの研究を総括し、論文化する作業も遂行中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍が影響し、既存の資料のデータベース化および分析が中心となった。データベース化は、複数の人物の複数のモードによる会話のため、当初のイメージよりも進みにくい面がみられ、論文や学会発表ができればと考えていたが、それには及ばなかった。

今後の研究の推進方策

引き続き、バイモーダル児の言語発達についてデータベース化とともに分析を行う。
また、これまでのバイモーダル児に関する研究を総括し、論文にまとめる作業についても引き続き遂行する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍で、新たなデータ収集や情報収集が進まなかったため。
次年度は、データベース化等の作業を行うための協力者謝金等に用いる。

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公開日: 2023-12-25  

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