研究課題/領域番号 |
20K00567
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
篠原 和子 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00313304)
|
研究分担者 |
秋田 喜美 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (20624208)
宇野 良子 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40396833)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 音象徴 / 恣意性 / 有契性 / 言語間比較 / 阻害音 / 有声性 |
研究成果の概要 |
本研究では、音象徴的対応のうち何に言語間差異がみられるのかを、複数の言語で実験を行って実証的に調査し、その原因を、(1)音韻的対立の恣意的な体系性にもとづく差異、(2)個別言語音の音声学的性質による身体基盤の有契性にもとづく差異、という2側面から説明するための仮説構築と理論化の基礎研究を行うことを目的とした。研究期間中に、図形の形状、物質の硬さ、性格的邪悪さ、などの性質を特定の種類の言語音(音声素性)が喚起する傾向にあること、また一部の音象徴には言語差があることが確認できた。そこから、音象徴の言語間差異の原因の一部は言語の音韻形態論的体系性にある、という議論を提示した。
|
自由記述の分野 |
認知言語学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
音象徴はこれまで、身体基盤をもつ有契的現象であり言語普遍的であるとされてきたが、本研究では音象徴が個別言語の恣意的体系性に起因する側面、また音声学的身体基盤に起因しつつも言語間で異なる有契性をもつことを実験的に確認した。認知科学をはじめ音象徴の研究を発展させている諸分野と比べ言語学は実験的手法を必ずしも得意としないが、本研究では実験を中心とした方法をとり、かつ類型論的モデル化という、言語学が他の分野よりも得意とする方法を用いる点に学術的独創性がある。また本研究により、多様な言語での調査に応用できる研究方法が学術共同体に共有され、多くの研究者が継続的に検証し続けていく基礎を提示できたと考える。
|