研究課題/領域番号 |
20K00604
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
鈴木 慎吾 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 講師 (20513360)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 中国語上古音 / 詩経 / 押韻 / 先秦 |
研究実績の概要 |
今回の課題の目的は、上古音研究の各種資料を整理することで、新たな研究のための基本インフラを構築することにある。具体的には以下の項目の実現を目指している。①上古押韻データベースの構築、②上古推定音データベースの構築、③対音・非漢語資料、出土資料データベースの構築。これらを相互に結びつけ、さらに構築済の中古音データベース群と連携させて、ウェブブラウザで分かりやすく検索・表示できるサイトを構築する。 初年度(2020年度)に予定していたタスクは、0) データフォーマットの検討、1) 上古押韻データベースの構築、2) 上古推定音データベースの構築、であった。 0) データフォーマットの検討については、押韻データベースについて検討と実験を行い、XML によるタグを暫定的に決定した。作業環境についてもテレワークに対応した方法を決定した。 1) 上古音韻データベースの構築については、まず『詩経』の押韻について、顧炎武『詩本音』、段玉裁『六書音均表』、王念孫『古韻譜』、江有誥『詩經韻讀』、王力『詩經韻讀』、Baxter“Handbook”所収の表をデータ化した。つづいて、その他の先秦文献39種について、同様にデータ化を行った。これらについて、書名あるいは韻字から検索を行うためのウェブサイト「諸家先秦韻讀」を構築し、ウェブ上に公開した。http://suzukish.s252.xrea.com/search/xianqin/index.php 2) の上古推定音データベースの構築については、Karlgren および鄭張尚芳の音価を入力し、すでに構築済の「Web韻図」内に表示するようにした。そのほか、上古音単体のデータベースを目下構築中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
0) データフォーマットの検討:計画通り 1) 上古押韻データベースの構築:計画通り 2) 上古推定音データベースの構築:計画通り
1) 上古押韻データベースは予定していた『詩経』およびその他先秦文献について、データ化およびWebアプリケーションの開発をほぼ完成させることができた。2) の上古推定音については、Karlgren、鄭張尚芳の二種を完成させ、進捗状況としてはまずまずと言える。
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今後の研究の推進方策 |
全体的に順調に進捗しているので、次年度は当初の予定通り、1) 上古押韻データベースの構築としては両漢文献の押韻についてデータ化を行い、2) 上古推定音データベースの構築については Karlgren、鄭張尚芳以外の音価について着手する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)雇用しているアルバイトのはたらきがよく、作業が比較的短時間で済んでいる。
(使用計画)作業者の時間を追加して、データの精度を高めることを検討する。またデータフォーマットの見直しを検討し、より情報量の多いデータの構築を追求する。
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