研究課題/領域番号 |
20K00787
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
山森 孝彦 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70387819)
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研究分担者 |
宮本 淳 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40340301)
JEGO Eric 日本大学, 医学部, 准教授 (80570944)
安田 宗義 愛知医科大学, 医学部外国語, 客員研究員 (10440752)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 英語医療面接 / 質問力 / パフォーマンス評価 / 文字起こしテキスト / スレッド表記 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、英語問診の様子を録画した動画を視聴しながら、評価者がパフォーマンス評価をルーブリックを用いて、評価判断をする際に注目する項目で「定量的かつ客観的に観察可能な要素」を抽出し、それを可視化して数値化することである。さらに数値化できた項目をレベル調整して再現するキャリブレーション用の動画を作成することも目指している。コロナ禍で新規データ収集が実施困難になったため、現在研究の中心は過去の撮りためてあった動画アーカイブの中から条件にあてはまる動画を見つけ出し、別角度から解析する方法で行なっている。 2020年度は、英語問診の動画音声の文字起こしをして英語コミュニケーション力を定量的に分析し、2021年度は動画の映像情報から、共感を表すアイコンタクトの総量や頻度などを数値化して解析した。2022年度の研究では,医師役の学生が英語で問診をしていく際にどれだけ質問を掘り下げていくことができたかという質問力(SOQ: Sequence of Questions)を、英語問診練習中に録画された動画音声の文字起こしをし、会話のやりとりをスレッド式に表示して解析することで質問を掘り下げていく様子を可視化した。また患者から聞き取った情報一つ一つに印をつけて数えていくことで情報収集量を数値化する方法も試みた。こうした数値をパフォーマン評価のレベル別の数値目標に設定し、最終的にはそれを組み込んだキャリブレーション動画を撮影することを目標にしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画時点では、英語問診パフォーマンスの音声付き動画データを、毎年夏に実施していた宿泊型英語医療面接の集中トレーニングキャンプで収集することを予定していたが、コロナ禍で、2020年、2021年、2022年は全ての宿泊行事が中止となり、最適化した条件で新規データを収集することができなくなった。そのため研究の中心は、過去に蓄積してあった動画の別角度からの詳細な分析と、関連分野の研究の文献調査になっている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は音声の文字起こしで得られたテキストの内容に着目し、質問が掘り下げられていく様子を可視化し、数値化することを試みた。これで、英語コミュニケーション力、共感力、質問力という評価項目の3本柱で、数値化できる項目がとりあえず出揃ったので、今後はレベル別の目標値を設定していく作業に入る。当初の目標であったレベル別の目標値を組み込んだキャリブレーション動画撮影の実現可能性を探りながら準備を進めるとともに、学生一人一人が、自分のパフォーマンス動画を見て、数値目標と照らし合わせるための自己評価キットを作成することも検討していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画時点では,長野県にて英語医療面接トレーニング合宿を行い教育研究の場にする予定であったが、コロナ禍ではキャンプ会場への往復のための貸切バス 代金等の費用を使うことができなかった。また海外での学会についてもオンライン開催となり移動のための旅費予算も活用できていなかった。 2023年度は英語医療面接トレーニング合宿の代わりとなる新しい形態の取り組みを検討し、キャリブレーション動画撮影の準備として撮影機器や音声録音機材の購入を計画している。また学会参加のための旅費としての支出も視野に入れている。
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