研究課題/領域番号 |
20K00804
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
高橋 俊章 山口大学, 教育学部, 教授 (00206822)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 英語の冠詞習得 / 特定・不特定区別の役割 / ゆらぎ仮説 / コーパス分析 / 言語習得 / 日本人英語学習者 |
研究実績の概要 |
2022年度は、2022年8月7日開催の全国英語教育学会第47回北海道研究大会 (オンライン開催)にて「日本人英語学習者の冠詞習得における特定・不特定区別の役割と冠詞習得の段階について」というタイトルで研究成果を発表した。内容は以下の通りである。
Ionin et al. (2004) の「ゆらぎ仮説」 (Fluctuation Hypothesis) によれば、第二言語または外国語としての英語学習者(ESL/EFL)は、英語冠詞の選択基準を特定性(specificity) から定性(definiteness)に切り替えるまで、英語冠詞の使用で誤りを犯し続けると主張している。しかし、L1言語習得研究によれば、L1話者である幼児は、定型-不定型の区別を習得する前に、指示対象物が特定か不特定かを基準として英語冠詞を正確に使用することが示されている。日本のEFL学習者も、幼いL1学習者と同様に、定型・不定型の区別を習得する前から、特定・不特定の区別を用いた英語冠詞を正確に使用できる可能性があるのではないかという仮説を検証した。仮説検証を行うため、the Nagoya Interlanguage Corpus of English Reborn の38編のエッセイを Bickerton (1981) のセマンティック・ホイール・ベースの分類法(冠詞を定・不定の区別と特定と不特定の区別による4つの分類方法)とDiez-Bedmar and Papp (2008) のタグ付けを用いて冠詞の使用状況をコード化し、コーパスソフトで分析した。その結果、特定・不特定の区別は、定・不定の区別の適用が困難な日本人EFL学習者の非特定参照者に対する英語冠詞の高精度使用と特定参照者に対する比較的正確な冠詞使用に寄与することが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度の研究成果を全国レベルの英語教育学会の専門誌に投稿したが、採択とならなかった。 内容修正後、別の雑誌に今年度(2023 年)に投稿の予定であり、当初の計画より、研究成果の公開が遅くなるのが避けられなくなったため。
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今後の研究の推進方策 |
海外の投稿先を含め、再度2022年度の成果について投稿を行う。また、コーパスデータのサンプルサイズをより増やし、客観性と信頼性を増やし、また、英語の能力レベルを考慮した上で、再度分析と考察を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響があったため、学会出張がオンラインとなった。また、投稿した論文が採択されなかったため、投稿費を支出しなかった。
今年度は、再度、2022年度の成果を別の雑誌に投稿する予定である。また、2023年度は、2022年度の研究課題を克服するため、よりデータサイズを増やし、より客観性と信頼性を増した分析を行うために、前年度未使用だった助成金を使用する予定である。
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