研究課題/領域番号 |
20K00860
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
荒木 瑞夫 宮崎大学, 多言語多文化教育研究センター, 准教授 (20324220)
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研究分担者 |
山本 佳代 宮崎大学, 多言語多文化教育研究センター, 准教授 (70438323)
川崎 典子 宮崎大学, 工学部, 助教 (00775801)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | Virtual Exchange / 外国語学習環境 / 社会ネットワーク分析 / 自律学習 / 言語センター |
研究実績の概要 |
2020年度は、狭義の社会ネットワークの一事例としてのVirtual Exchangeの実践を行い、データを取得した。英語の授業において、日本とインドネシア、台湾の大学とを結ぶオンライン協同学習を実施し、Moodleのフォーラムとウェブ会議システム(Zoom)の両方を用いて参加者が英語で様々なトピックについて情報・意見交換を行った。また参加者に同意を得た上で、フォーラム上のやり取りと、ウェブ会議システム使用時のグループ情報および質問紙によりデータを収集した。 一方、広義の社会ネットワークの一時例として、留学も含めた学内の英語学習リソースへのアクセスに関する研究 は、新型コロナの感染拡大により、留学が中止となり、対面で行う学内の英語学習リソースの実施やアクセスが大きく制限されたものの、市販のオンライン英会話サービスを使った課外英語スピーキング研修や、行動制限が一時的に緩和された時期に、学内の留学生にチューターとして参加してもらう英会話及び異文化交流プログラムを実施し、参加者に質問紙と面接調査を行った。 また2021年2月に農学部全体の学生に対して、ベンチマークとしての英語力測定テストの実施と課外での英語学習の実態について尋ねる質問紙調査を実施した。コロナ禍における英語自律学習の実態についての項目も含めることで、オンラインも含めたリソースへのアクセスの実態を調査した。今後の時系列分析および次年度以降の調査との比較分析のデータとして使用するべく分析を進めた。 社会ネットワーク分析の文献調査を進めるとともに、オンラインの国際学会で、Virtual Exchangeのデータをネットワークと動機づけの観点から分析を行い、発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度は、当初想定していた学生がキャンパスの様々な英語学習リソースにアクセスする実態とその学習の内容についての研究は、コロナ禍の中で、英語学習リソースの内容が様変わりしたため、課外活動 (「オンライン ランチタイム英語」「英語でしゃべろう会」等)に参加した学生を中心に質問紙と面接調査を実施した。 一方、狭義の学習者ネットワークの一事例としてのVirtual Exchangeはコロナ禍においても実施することができ、前期・後期を通じて3ヵ国から計649名が参加し(うち日本からは227名)、Moodleのフォーラムとウェブ会議システムによる協同学習を行い、日本人参加者から同意を得た上で、フォーラムのライティングデータとウェブ会議システムでのグルーピングに関するデータ、そして質問紙調査のデータを収集した。このVirtual Exchangeのデータは、社会ネットワーク分析に理論的枠組みによる特徴づけを行った上で、これまでの同種のプログラムにおける参加者の動機づけの研究成果と照らし合わせて分析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、引き続き狭義の学習者間ネットワークの一事例としてのVirtual Exchange のデータ収集および分析を進める。並行して、社会ネットワーク分析の理論的枠組みと応用言語学への示唆についての理解を深め、分析に還元する。 またキャンパス全体の学習者の英語力および英語学習リソースの利用実態を把握するために全学的な質問紙調査を予定し、その質問紙の作成とパイロット調査、および実施をする。 Virtual Exchangeやその他の質問紙調査の結果を、学会や研究会等で発表しフィードバックを得る。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの感染拡大により、多くの学会がオンラインになったため、参加のための旅費の支出がなくなったため次年度使用額が生じた。
2021年度は、オンラインでの学会参加等による情報収集や発表を進めつつ、引き続き文献調査を進め、本研究における理論的な枠組みを深める。また分析に必要な十分な性能と機能を持つ機器(PC等)を整備する。
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