研究課題/領域番号 |
20K00860
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
荒木 瑞夫 宮崎大学, 多言語多文化教育研究センター, 准教授 (20324220)
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研究分担者 |
山本 佳代 宮崎大学, 多言語多文化教育研究センター, 准教授 (70438323)
川崎 典子 宮崎大学, 工学部, 准教授 (00775801)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | Virtual Exchange / 外国語学習環境 / 社会ネットワーク分析 / インタビュー調査 |
研究実績の概要 |
2021年度は、(a)コロナ禍によりキャンパスでの活動が制限される中での学生が英語を使う機会をネットワークの観点から見るための質問紙調査、(b)卒業を間近に控えた学生が在学期間を通じての英語学習をどのように続けてきたかを尋ねるインタビュー調査、および (c) 海外の大学生とオンラインで行う協同学習(Virtual Exchange)における学習者の行動と動機づけの関連を見るための質問紙調査を行った。(a) は2021年7~8月に農学部生1・2年生および工学部生1年生を対象に、宮崎大学木花キャンパスで質問紙調査「キャンパスの国際化と英語課外学習についての実態調査」を実施し、学部・学年によって異なるものの、コロナ禍で遠隔授業も多かった2021年4~7月期において、10~23%の学生が学内の留学生と交流があり(ただし多くは交流を組み入れた授業内でのもの)、また7~13%の学生が学外で海外出身者と接する機会があった(アルバイト先、オンライン交流などの大学の英語授業、SNSが多かった)と回答した。農学部生については、英語習熟度測定も行った。これらの数値を昨年度と今後の調査と組み合わせて分析を行う。(b)のインタビュー調査では、農学部最終学年の7名が、様々なリソースへのアクセスを行い、多様なストラテジーを時に入れ替えて、英語学習に取り組んでいることが分かった。リソースへのアクセス(ネットワーク)たけではなく、学習者の持っている動機づけなどの個人的傾向やストラテジーの使用が、実際の英語学習につながっていることが分かった。(c)のVirtual Exchangeでは、電子掲示板とZoomを組み合わせて行い、それぞれの交流形式と動機づけの関連を見るべく質問紙調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は、新型コロナの感染拡大により人々の行動に制約がかかる中、学内外の学生の行動も影響を受けていることが質問紙調査の結果からも見て取れた。コロナでの行動制約は、人と人とのつながりを見るネットワーク分析の計画にあたり当初想定していなかった。特殊な状況下でのデータ収集となったが、今回の結果と、次回再度データ収集を行い、それらの比較分析を試みる予定である。 またデータ収集を行う一方、社会ネットワーク分析(SNA)の方法論に基づく分析が十分進んでいないため、方法論の再検討と分析作業を進める。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、研究代表者の異動を伴うが、研究組織の連携を十分保ちつつ、既存のデータを今後の分析に生かせるよう、「英語課外学習についての実態調査」を今後も進める。またVirtual Exchangeも、研究代表者の異動先での実践を計画中であり、データ収集の継続を試みる。また、学会発表や研究会等で発表しフィードバックを得るべく準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの感染拡大により、学会参加等の旅費の支出がなくなったため次年度使用額が生じた。 2022年度は、オンラインでの学会参加等による情報収集や成果発表を進める。その際の参加費や投稿料等にあてる。また分析方法等の最新情報が得られる文献(書籍等)の購入を行う。データ収集や分析、成果発表に必要な十分な性能と機能を持つ機器等を整備する。
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