研究課題/領域番号 |
20K00939
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
関 周一 宮崎大学, 教育学部, 教授 (30725940)
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研究分担者 |
石川 千佳子 宮崎大学, 教育学部, 教授 (10184483)
大野 匠 宮崎大学, 教育学部, 教授 (90590977)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 日向国 / 日向様式の仏像 / 一木造 / 大般若波羅蜜多経 / 宋版 |
研究成果の概要 |
平安後期から室町期に至るまで一木造の仏像がみられる。内刳りを施さないなど、霊木への崇敬に関連した造形がみられる。平安期の造像技法の伝承と、鎌倉期以降の外観様式との折衷による「日向様式」が成立していた。 西都市所在の円通山麟祥院所蔵の大般若波羅蜜多経は、元徳2年(1330)~建武2年(1335)にかけて書写された。底本は、北宋の福州東福寺版大蔵経である。14世紀後半~15世紀後半に一部を補入し、天文12年(1543)に戦乱によって紛失した分100巻(巻301~400)を一括補入した。江戸時代から明治3年(1870)まで補修が続けられ、地域の信仰の核として使用されたことがわかる。
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自由記述の分野 |
日本史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中世の仏像は寄木造が主流であることに対して、日向国の中世仏像は一木造を主としており、きわめて地域色が濃い。このことは、中世仏像の見直しを迫るものである。 円通山麟祥院所蔵の大般若波羅蜜多経は、日本に輸入された南宋の版本を鎌倉末期に書写したもので、南宋の仏教文化が日向国に流入したことを示している。また近世や近代初期に至るまで、補入や補修を繰り返しており、地域における仏教信仰の継続を示している。 仏像・大般若波羅蜜多経の調査は、宮崎県内の文化財の再評価をするもので、文化財保護の観点から意義ある成果だといえる。
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