• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実績報告書

競争と生産性格差の総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K01323
研究機関北海道大学

研究代表者

中川 晶比兒  北海道大学, 法学研究科, 教授 (20378516)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード生産性 / 競争 / 垂直統合 / two-sided markets / 排他的取引 / 問題解消措置
研究実績の概要

本年度は、生産性格差が最も大きくなるグローバル産業のうち、特に主要企業数が少ない二つの産業(ゲーム産業、半導体露光装置産業)を取り上げ、トップ企業による企業買収に対する独占禁止法規制のあり方を検討した。既に高い市場シェアを持つグローバル・トップ企業による買収は、水平合併では規制当局の承認が得られにくいため、おのずと垂直型・混合型企業結合となる。ゲーム産業では、産業史上最高金額での買収となったMicrosoftによるActivision Blizzardの買収を素材とした。本件統合は英国、EU、米国でも審査されており、日本の公正取引委員会による審査結果と重要な相違点が認められたため、比較分析を行った(学会発表)。ゲーム産業は、コンテンツの独占配信が特徴的であるため、two-sided marketsにおける排他的取引の経済分析をサーベイし、それらの分析結果を本件統合にあてはめて分析した。半導体産業については、2012年の事案であるが、ASMLによるCymerの買収を取り上げ、垂直型企業結合において我が国では定番の問題解消措置となっている行動的措置の再検討を行った。その前提として、垂直型企業結合の経済分析をサーベイすると共に、理論モデル分析も独自に行った。川上・川下共に複占の差別化財市場においてベルトラン競争をするモデルで、投入物閉鎖後の川下市場の均衡価格等の変化を調べた。垂直統合企業及び競争者の両方の小売価格が上昇しやすいのは、川下商品・川上商品ともに同質的な場合であることを確かめることができた。また、川上商品の製造費用の最終製品に占める比率が小さい場合の方が、競争者との費用コスト差に関わらず投入物閉鎖が利益になることが導かれた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 不当な取引制限規制の課題2023

    • 著者名/発表者名
      中川晶比兒
    • 雑誌名

      公正取引

      巻: 871 ページ: 15-20

  • [雑誌論文] 水平型企業結合に関する経済分析、問題解消措置2023

    • 著者名/発表者名
      中川晶比兒
    • 雑誌名

      ジュリスト

      巻: 1583 ページ: 223-224

  • [雑誌論文] A note on conglomerate mergers: The Google/Fitbit Case2023

    • 著者名/発表者名
      Akihiko Nakagawa & Noriaki Matsushima
    • 雑誌名

      Japan and the World Economy

      巻: 67 ページ: 1-9

    • DOI

      10.1016/j.japwor.2023.101203

    • 査読あり
  • [学会発表] 不当な取引制限規制における行政事件と刑事事件の架橋2023

    • 著者名/発表者名
      中川晶比兒
    • 学会等名
      北海道大学経済法研究会
  • [学会発表] ゲーム産業における企業結合と市場閉鎖2023

    • 著者名/発表者名
      中川晶比兒
    • 学会等名
      独占禁止法判例・審決研究会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi