研究課題/領域番号 |
20K01327
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
田中 伸至 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (80419332)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 空間整備 / 中心地構想 / 医療アクセス / 統合診療 / 保健医療連携 / 成果報酬 / かかりつけ医 / 医薬品 |
研究実績の概要 |
令和4年度は、旧東ドイツの州を中心に現地調査などを行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症のパンデミーのため、渡航を控えることとした。また、前年に引き続き、研究計画の順序を入れ替えるとともに、文献調査を中心とした研究を行うことした。 まず、令和3年度において取り組んだ、メクレンブルク・フォアポンメルン州の医療アクセスに関する制度や現況、州議会が設置した調査委員会における議論の検討の成果について、さらに精査し、「ドイツにおける医療機関の立地と空間整備・中心地構想 : メクレンブルク・フォアポンメルン州を例に」(法政理論55巻1号(2022年)38頁-73頁)にとりまとめ、公表した。 また、医療アクセスと医療の質、診療報酬の工夫など、総合的な地域的プロジェクトである、統合診療「健康キンツィヒタール」(Integrierte Versorgung "Gesundes Kinzigtal" (IVGK))について調査、検討した。IVGKは、ドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州の人口減少地域で行われているモデルプロジェクトであり、かかりつけ医を起点とした保健医療連携の体制に成果報酬を組み込んだ仕組みである。保健・予防中心のプログラムによる医療費の節約を期待する長期的な個別契約、わが国の特定健診・特定保健指導に相当するサービスとその後の治療プログラムを連続して提供する形態、予防活動・治療プログラムによる医療費削減の可能性が特徴的であり、わが国に導入できる余地があることを認識することができた。こうした研究の成果については、健康保険法100周年研究会において報告した。 さらに、日独両国における近時の医薬品供給不足の問題が医療アクセスに関わる問題であることを踏まえ、両国の医薬品に関する制度についても調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の第1期(令和2年度、3年度)は、ミュンスター大学に滞在する機会を利用して、関係法令や各州の病院計画等を収集し、関係者にインタビューする予定であり、第2期の令和4年度は旧東独州を中心に現地調査を行う計画であったが、新型コロナウイルス感染症パンデミーのため、渡航できないまま、サバティカルリーブの期間もとうに過ぎてしまった。そこで、前年度から文献調査中心の研究に切り替え、メクレンブルク・フォアポンメルン州における制度の検討結果をとりまとめたほか、旧西独のバーデン・ヴュルテンベルク州の地方圏モデルプロジェクトについて、人口減少地域における医療アクセスの確保、かかりつけ医の位置づけ、医療費節約による成果報酬的な診療報酬の観点から検討し、研究を前に進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究テーマに関連する文献や情報を引き続き、幅広く収集し、第2期、第3期に予定していた作業を可能なところから行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症のパンデミーのため、2020年度から2022年度に予定していたドイツへの渡航ができなかったため、次年度使用額が生じている。すでに文献調査主体の研究に切り替えており、しかるべく使用する予定である。
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