研究課題/領域番号 |
20K01433
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研究機関 | 京都女子大学 |
研究代表者 |
澤 敬子 京都女子大学, 現代社会学部, 准教授 (60340444)
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研究分担者 |
手嶋 昭子 京都女子大学, 法学部, 教授 (30202188)
渡辺 千原 立命館大学, 法学部, 教授 (50309085)
南野 佳代 京都女子大学, 法学部, 教授 (60329935)
三輪 敦子 公益財団法人世界人権問題研究センター, その他部局等, 嘱託研究員 (90414119)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ジェンダー / ジェンダー教育 / ジェンダー法学 / 法学教育 |
研究実績の概要 |
研究期間2年目である2021年度は、前年に引き続きコロナ禍により研究会や聞き取りの機会が大幅に失われ、研究は出来る範囲での情報共有を行いながらの個々のレベルのものが中心であった。問題領域としては、ジェンダー法運動、女性の参加、雇用、親密圏・性暴力、紛争解決、性と生殖に関わる権利を取り上げている。 これら各人が担当する個別問題領域において、法的実践の主要な葛藤とその原因の精査、個々の研究者が扱う問題の焦点化と研究枠組みの構想を、従来の各研究者の研究との関連の中で行っている。なかでも今年度は特に、ジェンダー法学教育に関わるテキストの比較検討を中心に行うとともに、ジェンダー法教育に関わる複数のテキスト執筆を行い、これによって法教育の一環としてのジェンダーの位置づけを確認する作業を行った。テキストの読者を想定しながら、そこで必要なジェンダー法に関する議論を行うことで、教育の対象となっている人々にとってのジェンダー法学の位置づけと必要な範囲を検討しながら執筆する作業でもあり、ジェンダー法教育の対象と内容の関連性を吟味する機会となった。 また、直接ジェンダー法教育を課題としたテキストでないものにおいても、ジェンダーに関わる判決を使用して例えば裁判による法形成を論じることで、法教育一般でのジェンダー法教育の可能性をテキストの中で示している。加えて、コロナ禍におけるシティズンシップの涵養などについても論じ、NGOによるシティズンシップ教育実践の検討を行った。また、海外でのジェンダー法教育について、特に法曹におけるそれについても検討を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度はコロナ禍の行動制限によりかなり遅れたが、2021年度は制限もありながら個々のレベルでの研究については進められた。しかし、共同での研究と聞き取りを中心とした研究については遅れ気味であるため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、継続して、抵抗や葛藤のある状況でジェンダー法に関わる実践的能力を育む教育方法を検討し、状況の改善に必要な教育方法を収集、開発する。 そのため、1)共同で調査結果を分析し、抵抗や葛藤の種類、これを生じる状況や原因を整理する。2)個別及び共同で、ジェンダー法理論、テキスト、教育方法を渉猟し、現状での対応を参照する。3)個別に担当の教育方法での問題状況対応方法を収集する。ジェンダー法学教育以外に、ジェンダーNGOの教育方法や開発教育、シティズンシップ教育、ロースクール教育、その他のジェンダー教育等についても、それぞれ担当者が情報収集を行う。4)長期的な実践能力の開発に繋がる、ジェンダーに関する市民性の涵養方法についての理論と方法を収集する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナによってzoomによる研究会や会議などが増えかつ対面での聞き取りが制限されたため、旅費や人件費・謝金が不要になったことが大きい。今年度も同様の可能性が大きいが、可能な範囲でこれらを実施していく。
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