研究課題
基盤研究(C)
政治という文脈が人々の意思決定にどのように影響するかを見い出すために、実験室に作られた投票環境で投票へ行くか否か、どの選択肢に投票するかを被験者たちに意思決定してもらう実験を実施した。研究期間内に出版された4論文の実験の範囲では、何を決めようとしているのか(世代間の利益配分を決めようとする投票であることを文脈として付した)を被験者たち明示するか否かによる投票行動の明確な違いは見出されなかった。
政治経済学
政治学は「政治という特定された文脈で何が起こるか」を研究対象とするが、「その事象が政治という文脈だからこそ観察されたのか、それとも一般的にどの文脈でも観察されることが政治という文脈でも観察されたのか」にはほとんど関心が向けられない。しかし、政治という文脈だからこそ観察される事象こそが政治を他の人間活動から差別化し特徴付けるはずであり、政治とは何かを理解する助けになるはずである。本研究の期間内にはそれを特定するには至らなかったが、この大きな学術的問いに取り組むための足掛かりを作ることができた。