研究課題/領域番号 |
20K01735
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研究機関 | 国際大学 |
研究代表者 |
陣内 悠介 国際大学, 国際関係学研究科, 准教授(移行) (20723456)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 教育経済学 / 労働経済学 |
研究実績の概要 |
本研究は、世界に広がる教育格差を研究対象とし、教育効果に差が生じている根本的要因を、各国の詳細なデータと計量経済学モデルおよび国際比較分析によって明らかにするものである。教室内実験を通して得られる独自性の高いデータや、多数の国々から構築する長期的なパネルデータ等を、多様な計量モデルで実証分析する。本研究から得られる成果は、教育経済学の研究分野に貢献するだけでなく、とくに開発途上国にとっては今後の成長のために必要な、より有効な教育政策づくりに結びつくものと期待できる。現在、本テーマに基づく研究の初年度として、複数のプロジェクトを推進しているところである。男女差および国籍差によって教育意識や効果にどのような違いが生じるかについては、教室内実験を終えてデータを収集済みである。そのデータを分析用に整備し、予備的な推定結果も得ている。今後は、分析モデルのさらなる精緻化と、結果の解釈と政策的含意の導出を進めていく予定である。また、義務教育制度の導入効果については、ラオス国のデータを用いて研究を進めているところである。同国が義務教育年数を増やしてきた歴史的背景を踏まえ、その前後を比較分析することで、その政策評価を行うことができる。データも収集済みかつ整備済みであり、今後は複数の計量経済学的モデルを用いて、分析を進めていく。その他、ミャンマーにおいても同様に、教育年数を変更した政策について、その効果測定に取り組んでいるところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は、国際学会において現時点までの研究成果を報告し、そこで得た指摘等をもとに、論文の改訂に取り組む予定であった。しかしながら、コロナ禍で出席を予定していたすべての学会が中止になったため、残念ながらその機会が失われてしまった。今後は共著者とのオンライン打合せ等を活用し、また学会以外等の機会を使って研究改善・推進に取り組んで行く予定である。
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今後の研究の推進方策 |
前述の通り、国際学会の開催が中止またはオンライン化されたことで、研究者同士の対面交流が難しい状況ではあるが、従来から交流がある研究者等から研究成果に対する指摘等を頂きながら、今後取り組んで行きたい。また共著者とは、オンライン打合せ等を活用してコミュニケーションを図り、効率的に研究を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に開催予定だった国際学会のほとんどがコロナ禍で中止またはオンライン実施となったため、計上していた旅費予算を使うことがなかったため。次年度ではその分を追加でのリサーチアシスタント雇用などに充て、研究を効率的に進めていく予定である。
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