研究課題/領域番号 |
20K01739
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 西南学院大学 |
研究代表者 |
熊谷 成将 西南学院大学, 経済学部, 教授 (80330679)
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研究分担者 |
西村 周三 京都先端科学大学, 経済経営学部, 教授 (10027576)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 高血圧 / 受診の継続 / 平均治療効果 / Physician visits / Well-being valuation / Work-to-family conflict |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、全国の縦断データを用いて家庭内無償労働配分の変更や通院が主観的健康感に与える効果を調べて、社会経済的要因に起因する健康格差の是正策を検討することである。第一に、中年女性の無償労働の家庭内配分に留意し、東大「壮年パネル調査」 (JLPS-M) を用いて日本人成年男女の健康損失を金銭評価した。第二に、厚生労働省「中高年者縦断調査」を用いて、外来受診が患者の主観的健康感に及ぼす影響を調べ、高血圧患者の健康に対する受診の因果効果を評価した。
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自由記述の分野 |
医療経済学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまでの国内外の研究の延長線上で新たな知見を与えた。パネルデータ分析の結果に基づいて、(1) 有業女性の健康を維持して生活満足度の低下を避けるためには、高いレベルの仕事と家庭の葛藤を解消しようと家事労働を夫が分担することが肝要であることを示し、(2) 糖尿病、低学歴、喫煙習慣のある高血圧患者に対して、連続した受診を促すことが必要であることを明らかにした。ほとんどの国において高血圧患者の血圧管理率は低いことが観察されており、高血圧患者の血圧コントロールを強化して通院の効果を高めるうえで、上記の知見は有用と思われる。
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