本研究では、日本の株式市場におけるバリュー株効果とモメンタム効果について企業規模による違いを明らかにし、日本市場特有の現象が生じる原因を検討した。分析の結果、バリュー株効果については、金融危機以降のサブサンプルにおいて企業規模によるリターンの振る舞いの違いが顕著であった。この期間は、日本以外のマーケットでもバリュー株のパフォーマンスが著しく低下しており、企業規模によるリターンの振る舞いの違いには、金融危機以降の構造的な変化が影響していることが予想される。モメンタムについては、超小型株では短期のリバーサルが非常に強く働いていることが示唆される結果となった。
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