研究課題
基盤研究(C)
資産価格のリスクの源泉は内外共通の要因や国固有の要因にあり、これらは時期によって影響力を変動させていると考えられる。そこで、本研究では、国内外の債券・株式価格を同時に評価する資産価格モデルを構築し、日米の金利・株価のデータを用いてこのモデルを推定し、金利や株価に影響を与える内外共通要因および国固有の要因を抽出した。そして、これらの要因が、日米の債券や株式のリスクプレミアムにどのような影響を与えているのかを定量化した。
金融工学
本研究で構築したモデルは、金融危機以降の先進国で見られた超低金利のイールドカーブを捉え、資産価格のボラティリティが変動する柔軟なモデルである。そのため、投資期間に応じたリスクプレミアムを高精度に測定するためのモデルとして期待される。本研究では、このモデルが金融市場データに高い精度でフィットすることを確認したほか、債券や株式のリスクプレミアムの期間構造を計測し、先行研究の実証結果と整合的な結果を得た。リスクプレミアムの期間構造を分析するための強力なモデルとして今後も活用が可能と考えられる。