研究実績の概要 |
Pervin社より、以下の章を出版した: Watanabe S., Kanazawa Y. (2021) Trust Building in the Globalizing Workplace of Japan. In: Kwantes C.T., Kuo B.C.H. (eds) Trust and Trustworthiness across Cultures (pp.139-161). Springer Series in Emerging Cultural Perspectives in Work, Organizational, and Personnel Studies. Springer, Cham. https://doi.org/10.1007/978-3-030-56718-7_8
概要: 従業員間の「信頼」が様々な重要な組織行動変数(例えば、パフォーマンス、満足、ワーク・エンゲージメント等)に正の効果を有することが広く知られている。本研究の目的は、「信頼すること」及び「信頼に値すること」の概念に関する既存の比較文化研究を広範にレビューし、国際化が進展する我が国の産業職場にいかに応用し得るかを考察することであった。社会・文化的背景を異にする者どおしがチームを構成して協働することが多くなってきている今日において重要なテーマと言えよう。広範なレビューにもとづき、既存研究は文化を、「東洋 vs 西洋」或いは「日本 vs 米国」のように過度に類型化し、一文化内における個人差や地域差を無視する傾向が強いことを指摘した。そして、この類型化を脱し、文化を次元的な視点、或いは個人差として捉えることで、文化の差を超越し得る一般理論を構築する必要性を指摘した。
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