• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

国際化に伴う文化的多様性下における異文化適応プロセスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K01819
研究機関筑波大学

研究代表者

渡辺 真一郎  筑波大学, システム情報系, 名誉教授 (50282330)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード社会的交換にもとづく継続的コミットメント / 経済的交換にもとづく継続的コミットメント
研究実績の概要

今年度は組織コミットメントに目を向けた。当概念は一般に3つの下位概念、即ち情動的・継続的・規範的コミットメントに分類される。情動的コミットメントは組織の目標や価値観と、自分自身の価値観が同一である場合に経験する情緒的一体感を意味する。継続的コミットメントは組織から離れると損失を被るため、組織に留まり続けたいという態度を意味する。規範的コミットメントは組織に留まり続けることが道徳的に正しいと思うから、そこに居続けようとする態度を意味する。これら3種のコミットメントのうち、組織に対し情動的な一体感情を経験できる従業員や道徳的な理由で組織に留まろうと思う従業員は比較的少ないと考えられる。大半の従業員は、選択可能な他の組織が少ないとか、転職すると少なからぬ損失(例えば、減給や家族の引っ越し・転職・転校等)を被るので組織に留まり続けていると考えられる。特に社名や経済的安定性等を職業選択の拠り所とする傾向の強い日本国民ついて言えることではないだろうか。

2021年度は、継続的コミットメントについて、新規に「経済的交換」と「社会的交換」にもとづくヴァージョンの下位次元を構築し、人々が組織に留まろうとする動機の国際比較研究をスタートさせた。社会的交換はさらに上司との社会的交換及び同僚・部下との社会的交換に分類した。これらの新概念のコンストラクト妥当性を検証したうえで、性別による違い、職業による違い、及び日中比較を行うことを目的とし、我が国の女性看護師、男性銀行員、及び中国の男性システム・エンジニアからデータを収集した。2021年度はこのデータを収集するために大半の時間を費やしたため、論文執筆には至らなかったが、その準備段階までは到達したと言える。本年はデータ分析を開始し、人と組織の関係性に関する国際比較論文を完成させ、異文化適応に向けた提言を行いたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の予定では論文執筆を開始する予定であったが、新規の概念のコンストラクト妥当性を検定するための予備的調査、及び国際比較研究に向けたデータ収集にかなりの時間を費やさなければならなかった。特に、質問紙の中国語翻訳、中国からのデータ収集に多大の時間を費やしてしまった。

今後の研究の推進方策

現時点においてデータ分析はほぼ終了しているので、遅くとも6月より論文執筆作業に入り、9月には投稿する予定である。その論文が公開されるまでの改定・推敲作業を考慮し、2023年3月までには論文を出版したい。その実現に向けて努力するつもりである。

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi