本研究の目的は、年次報告書のテキストに表れる組織文化に国の文化差がどう表出するか、そして、グローバルな経営環境の変化により日米の組織文化はどのように変化したのか、という二つの問いに答えることである。組織文化要素としてのリスク要因に関わる認識の変化に特に焦点を当てて分析を行った結果、時間の経過がリスク要因認識に与える影響と、国の文化がリスク要因認識に及ぼす影響に関する二つの仮説を支持する結果が得られた。日米企業における組織文化要素の変化の様相を縦断的実証研究で明らかにしたことが、本研究の主な成果である。
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