研究実績の概要 |
本研究は、日本で就職し働く高度外国人材の多文化アイデンティティモデルを構築することを目的としたものである。2023年度の計画は、日本で働く高度外国人材を対象にしたインタビュー調査をもとに、質問票調査を実施することであった。
本研究は、Berry(1997)とFitzsimmons, Liao, & Thomas(2017)のモデルを参照しながら、日本の高度外国人材が仕事と生活の場面において、どのように文化変容をしているのかを明らかにすることを試みている。2022年度は、これらのスタイルを特定する項目を入れ込み、質問票を作成した。その際、質問票は調査対象者がほぼ中国語を母語とする者であることから中国語で作成した。その後日本語に翻訳し、バックトランスレーションを行い完成させた中国語版質問票を調査対象者に回答してもらった(200名程度)。この結果を精査し、質問項目の調整を行った上で、2023年度に本調査を実施した。本調査では250余名から回答を収集することができ、現在分析した結果をまとめる作業を行っている。
また2023年度には、それまでにまとめた研究結果を多文化関係学会の年次大会において「バイカルチュラルな社員の文化変容スタイルの測定尺度作成の試み」と題して発表を行った。
|