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2022 年度 研究成果報告書

介護の市場化のもとでの在宅介護労働者の脆弱性とその克服

研究課題

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研究課題/領域番号 20K02071
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分08010:社会学関連
研究機関実践女子大学

研究代表者

山根 純佳  実践女子大学, 人間社会学部, 教授 (80581636)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード介護保険制度 / 訪問介護 / ケア労働
研究成果の概要

本研究は介護保険制度下の訪問介護事業を対象にし、ケアの市場化が労働者の脆弱性を明らかにすることを目的としている。2022年に実施した訪問介護事業所調査・労働者調査からは、効率化を目的とした国家による資源の管理コントロールが、事業者間の資源の取り合いを加速させていることが明らかになった。また労働者調査からは介護報酬の対象とならないサービスや労働を効率化することができず無償で提供している実態が明らかになった。選択と競争の下で選ばれなかった事業者が撤退するとする準市場の理論とは逆に、利用者ニーズにより応答的な=利用者を選ばない事業者がより脆弱な位置に置かれている。

自由記述の分野

ケア労働とジェンダー

研究成果の学術的意義や社会的意義

介護の社会化を謳った介護保険制度開始から23年たつが、本来の目的であった公平で普遍的サービスの供給が困難な状況となっている。本研究からは、現金給付による代理受領の仕組み(出来高払い)、サービスの短時間化、介護報酬の加算などの国家の管理・コントロールが、効率的な資源配分を阻害し事業の継続を困難にしていることが明らかになった。特に新型コロナ・ウイルス感染拡大による利用控えや、サービス提供による感染リスクなど訪問介護事業所が置かれている脆弱性が露わになった。本研究は実証研究を通してサービス提供を維持するケア資源の配分のあり方について考察し社会的提言に繋げるという点で大きな学術的・社会的意義を有する。

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公開日: 2024-01-30  

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