家屋史を中心として生活史を聞き取るという手法を採ることを通じて、地域社会や時代背景とのかかわりを分析するという方法を構築した。調査を実施するための主体としてNPO法人を立ち上げ、策定した調査ガイドラインを用いて同法人メンバーとともに11件の聞き取り調査を実施した。非調査専門家であっても「家屋を取り巻く生活史調査」は実施可能であり、生活者としての当事者性が強いことが分析の質を高めることが分かった。 実際に「家屋を取り巻く生活史調査」によって分析した結果として、1970年前後が家屋と地域社会とのかかわりの大きな変換点になったことや、社会集団や民俗の分析も補完的に行うことが効果的であることを示した。
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