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2021 年度 実施状況報告書

単身高齢者の居住支援に関する研究 ~住まいのソーシャルワークの確立に向けて~

研究課題

研究課題/領域番号 20K02192
研究機関日本社会事業大学

研究代表者

井上 由起子  日本社会事業大学, 福祉マネジメント研究科, 教授 (40370952)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード居住支援 / 単身高齢者 / プログラム
研究実績の概要

本研究では、調査1:単身高齢者の住宅のテニュアとアフォーダビリティに関する実態把握調査、調査2:不動産仲介業者による居住支援の実態把握調査、調査3:相談援助職による居住支援に関するロジックモデルの整理、調査4:市町村居住支援協議会による相談窓口体制に関する調査の4つを予定している。
調査1については住宅・土地統計調査(総務省)のオーダーメイド集計を依頼し、データを入手し、分析に着手できた。単身高齢者の住宅テニュア(持家、民間賃貸、公営借家、UR・公社住宅)を男女別、エリア別、トレンド別に把握、世帯年収×住宅テニュアの傾向、民営借家の家賃、住宅扶助額以下物件居住割合をみたうえで、単身高齢世帯が住む民間賃貸住宅の居住性能(最低居住面積、建築年、高齢者対応設備)ならびに子世帯との距離について分析を行った。その一端を述べると、首都圏に暮らす単身高齢世帯の平均家賃は70,836円で、年収100~200万円未満世帯でも平均家賃は64,226円、年間で約77万円と収入の半分近くを家賃に費やしていることが分かった。特別区の住宅扶助額は53,700円であり、住宅扶助額以下の物件に居住する者は25.8%、年収100~200万円未満世帯では32.8%と1/3に達する。低家賃物件ほど最低居住面積以下の物件が多いこと、旧耐震の物件が多いこと、バリアフリー対応が遅れているなど複合的に居住が不安定であることがデータから示された。結果の一部は2021年2月に専門誌、2022年4月発刊の専門誌にて報告した。
調査3については2020年度に整理を行い、終了済みである。2021年度はこのロジックモデルの考えを深めて報告書を執筆した。
調査2と調査4については複数の当該団体にZoomにてヒアリングを行い、研究計画の変更が必要と考えるに至った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウィルス感染症により、研究科長職として所属部署のマネジメント業務にも追われた。以上の理由により、研究が遅れている。

今後の研究の推進方策

2022年度は調査1:単身高齢者の住宅のテニュアとアフォーダビリティに関する実態把握調査のデータをとりまとめ、論文に投稿する。
調査2と調査4については研究計画の変更が必要と判断した。これをうけて、2022年度以降、単身高齢者の居住支援の窓口を担う可能性が極めて高い地域包括支援センターにおける居住支援の実態把握調査を実施する。

次年度使用額が生じた理由

2021年度は新型コロナウィルスによる対応で実践現場への訪問調査などができなかった。2022年度以降にこれらの調査を実施して執行する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] これからの社会福祉の展望:高齢期の住まいをどう確保するか2022

    • 著者名/発表者名
      井上由起子
    • 雑誌名

      月間福祉

      巻: 105 ページ: 42-45

  • [雑誌論文] 居住保障とは何か~住宅保障と居住支援~2022

    • 著者名/発表者名
      井上由起子
    • 雑誌名

      共済新報

      巻: 63 ページ: 4-11

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公開日: 2022-12-28  

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