研究課題/領域番号 |
20K02236
|
研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
佐藤 哲郎 岩手県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (50510799)
|
研究分担者 |
雑賀 正彦 高知県立大学, 社会福祉学部, 助教 (60816255)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 参加型評価 / 地域福祉活動 |
研究実績の概要 |
令和3年度は、主として3つのフィールドでの各実践プロセスにおいて、活動者および専門職がどのような意図や考えをもって実践を行ったのかをインタビューした。結論としては、実践における意図や理解の相違がありつつも、各主体の相互作用により小地域福祉活動が展開されていったことが理解できた。 そのうえで、今年度は働きかける主体(主として社会福祉士)が各実践プロセスにおいて、具体的な実践(働きかけ)とその際の意図を時系列にまとめることを目的とし、対面およびZoomを用いたインタビュー調査を行った。分析の際に、実践プロセスを3区分(【初期介入期】【住民の主体形成促進期】【その後の展開期】)に分類し、かつ住民の主体形成を促進する構成要素となりうるものとして「協議の場」「状況の可視化」「学びの場」「当事者と住民とをつなぐ」「コンフリクト発生時の関わり」の5つとして暫定的に設定した。分析の結果として、特に【住民の主体形成促進期】から【その後の展開期】において、主体形成促進構成要素が相互に作用しながら実践が展開していることが明らかになった。結果から見出された条件として①「協議の場」を重視しながら、「状況の可視化」や「学びの場」との作用が働いていること、②住民の主体形成促進期において、当事者と住民との接点を持つことで主体形成が促進する可能性があるということ、③「コンフリクト発生時の関わり」に社会福祉士が働きかけを行うことが重要である。 以上の研究を踏まえて、参加型評価を推進していくうえで、「実践の可視化」が可能となる評価ツールの開発が急がれるとの認識に至った。令和4年度の研究は特にそこを意識して行いたく考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍の影響により、フィールドワークが滞っているためである。
|
今後の研究の推進方策 |
①参加型評価を可能とする可視化のツールを検討する。 ②上記ツールを用いて、地域福祉活動のプロセスと現状の位置を確認する。 ③上記②を踏まえて、実践の方向性や改善点を共有・合意形成する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍において、フィールド調査が進展しなかったっため。 令和4年度にフィールド調査を実施する。
|