| 研究課題/領域番号 |
20K02253
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| 研究機関 | 京都ノートルダム女子大学 |
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研究代表者 |
矢島 雅子 京都ノートルダム女子大学, 現代人間学部, 講師 (60581600)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 地域生活支援拠点等 / 親亡き後 / 相談体制 / 緊急時の受け入れ / 支援のネットワーク |
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| 研究実績の概要 |
既に地域生活支援拠点等を整備している近畿2府4県のうち、モデル事業に指定された京都市、2018 年に厚生労働省の好事例集で報告された西宮市の取り組みに着目し、文献を収集して地域生活支援拠点等の整備状況と今後の課題を整理した。京都市では地域生活支援センターが中心となり 24 時間 365 日の相談体制を築き、障害のある人や家族等からの相談に随時応じている。そして、自立支援協議会をはじめ各専門機関と障害福祉サービスの事業所が連携して個別支援チームを結成し、安心して地域で暮らせる支援のネットワークを構築している。一方、西宮市は障害のある人本人のニーズを支援に係る関係者全員で共有し、本人中心支援計画を共同で作成する独自の実践を重ねている。そして、地域共生館ふれぼのと基幹型相談支援センターが中核となり、地域生活支援拠点等の機能強化に取り組んでいる。京都市と西宮市に共通している課題として、①緊急時の受け入れ確保、②専門的人材の確保・養成が挙げられる。また、京都市はグループホームの空きが不足しており体験ができない課題を抱えており、西宮市は24 時間相談を受けられる体制が必要であるという課題を抱えている。各自治体が報告している障害福祉計画や地域生活支援拠点等の実績報告書等を収集することにより、京都市と西宮市の地域生活支援拠点等の整備プロセスと特色、課題を比較することができた。
さらに地域生活支援拠点等の整備に対して当事者や家族はどのような要望を持っているのか明らかにするために、京都市と西宮市の当事者ならびに家族の会を対象に質問紙調査を実施し、質問紙を配布・回収することができた。質問紙の集計と分析は令和3年度中に実施する。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では京都市をはじめ、西宮市、堺市、豊中市における障害者団体・家族会を対象に半構造化個別インタビュー調査を実施する計画を立てていた。しかし、令和2年度は新型コロナウイルス感染拡大により個別インタビュー調査でデータを収集することが困難となり、質問紙調査に変更した。また、調査対象地域は京都市と西宮市とすることに変更した。質問紙調査の実施においては京都ノートルダム女子大学研究倫理審査委員会における審査を受け、承認後に予備調査を実施した。予備調査は令和2年9月に京都市内にある当事者・家族会の会員10名を対象に実施した。
予備調査後に質問項目を修正し、令和2年11月～令和3年4月にかけて本調査を実施した。京都市内にある当事者・家族会（身体障害、知的障害、精神障害）の会員405名、西宮市内にある当事者・家族会（知的障害、精神障害）の会員108名に自己記入式質問紙を郵送した。質問紙は各当事者・家族会の会長に会員人数分を郵送し、会長から各会員に郵送を依頼した。令和3年4月末時点における質問紙の回収状況は京都市が193票（回収率47.7％）、西宮市が70票（回収率64.8％）である。そのうち有効回答は京都市191票、西宮市70票の計261票である。質問項目は①障害のある当事者の現在の生活について（福祉サービスの利用状況、日常生活の不安や心配事、相談・サポートの体制、生きがいや将来の希望）、②障害のある当事者本人の親亡き後の不安・心配事について（親亡き後の暮らしの場の希望、手助けの希望、親亡き後の準備、親亡き後の安心或いは不安、将来の生活設計、必要な制度や社会資源、他者とのつながり、将来の希望）、③京都市或いは西宮市における地域生活支援拠点等について（電話相談等の利用状況、相談支援体制の満足度、緊急時受け入れ対応の満足度）、④基本属性（年齢、家族の続柄、障害種別、住まい、就労状況）である。
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| 今後の研究の推進方策 |
令和3年度中に質問紙調査のデータを入力し、単純集計とクロス集計を実施する。また、自由記述内容はKJ法で分析する。質問紙を郵送した際、個別インタビュー調査の依頼文書を同封しており、調査協力可能な人には連絡先を記載して返送してもらった。その結果、京都市内の当事者・家族会の会員のうち個別インタビュー調査に協力できる方は69名（是非協力したい17名、スケジュールが合えば協力してもよい52名）だった。また、西宮市の当事者・家族会の会員のうち個別インタビュー調査に協力できる人は21名（是非協力したい4名、スケジュールが合えば協力してもよい17名）だった。
令和3年度中に個別インタビュー調査に是非協力したい21名（京都市17名、西宮市4名）を対象にオンライン或いは電話を使用して個別インタビュー調査を実施する。個別インタビュー調査の質問項目は①親亡き後の不安や心配事の内容、②必要なサービス資源の内容、③支援に関する要望である。インタビューの内容はパソコンのwordに記録し、グランデッド・セオリーアプローチに基づき分析する。インタビューは一人30分～1時間程度を1回実施する。質問紙調査ならびに個別インタビュー調査の結果については令和4年度に開催される日本社会福祉学会で口頭発表する予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度は新型コロナウイルス感染拡大により、個別インタビュー調査を実施することが困難となったため、急遽、質問紙調査の実施に変更した。そのため旅費は不要となったが、質問紙調査の郵送代等が必要となった。質問紙調査の回答者のなかにはオンラインや電話で個別インタビュー調査に協力可能な人が複数名いた。令和3年度にはオンライン或いは電話で個別インタビュー調査を実施するため、協力者には謝金が必要になる。
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