研究実績の概要 |
本研究は、人間の全体像をモデル化したWHOのICFの「心身機能・構造」「活動」に加えて、生活・人生場面への「参加」の視点を介護の質の評価に反映するために、定量的な測定指標を開発することを目指しており、2021 年度(2年次)は、以下3点の取り組みを行った。 (1) 研究協力施設の新規リクルートは、コロナウィルスの影響で実施が困難と判断して、既存協力施設において研究を遂行する方法を選択した。既存協力施設の4法人26事業所から利用者2,400人のアセスメントデータを新たに取得することができた。これらのデータはパネルデートして既存のデータセットに統合された。 (2) 参加”指標の検討は、国内外における先行研究(文献調査)のレビューを継続するとともに、指標開発のため構成概念の検討・定義を行った。また、研究成果の社会実装を目指す上で、2021年4月より本格的に公的介護保険制度上でスタートする「科学的介護情報システム(LIFE)の詳細をサマリーした総説が掲載された。石橋智昭:「介護サービスの質の評価;国家プロジェクトLIFEへの期待と不安」応用老年学,15(1),4-11,2021. (3) 介護施設での試行用アセスメント表の開発は、上記にて検討した項目を含む「アセスメント表」(Ver.1)を最終年度に作成する計画である。同アセスメント表の評価は、既存協力施設の管理者にヒアリングし、有用性評価を行う予定である。
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