分岐型脂肪酸類に焦点をあてて、室内衛生環境の改善という観点から、微生物や害虫に対して高い防除効果を有するものを見いだした。室内塵性ダニでは炭素数12の脂肪酸が最も高く、脂肪酸塩では効果が低い傾向にあった。室内汚染カビに対しては炭素数が7~8の脂肪酸で効果が高く、脂肪酸塩では炭素数が12や16のもので効果が高かった。室内干しによる悪臭の原因細菌に対しては炭素数16の脂肪酸塩で効果が高かった。作用機序はダニでは呼吸系を標的とすることが示唆され、カビでは菌糸の成長阻害、細菌では細胞膜の破壊等が認められた。更に効果の高かった脂肪酸類を用い、畳への防ダニ機能付与や除菌洗濯洗剤への利用可能性を見いだした。
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