本研究は、2018年の改正で色覚バリアフリーに対応したJIS新規格安全色の有効性を検討する目的で、高齢者、先天赤緑異常、正常色覚の各群を対象に、新旧規格間での安全色のリスク認知について、色票の潜在危険度評価、色名とカラーチャートによる色同定課題に基づく比較検討を行った。その結果、新規格の赤は、全ての群で旧規格色よりも危険度評価が顕著に低かった。かつ新規格の赤は、黄や黄赤の危険度と差が認められず、安全色としての有効性に乏しい可能性が示された。高齢者の44%は青黄異常、先天赤緑異常の62%は強度異常であったが、安全色に対するリスク認知は、正常色覚と顕著な差異はみられなかった。
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