本研究では、温度受容TRPチャネルを活性化する食品成分の摂取が体温調節機能や環境ストレスに対する抵抗力に与える影響について検討した。冷温受容体TRPM8を活性化するメントールの4週間の摂取で褐色脂肪組織(BAT)におけるUCP1遺伝子発現量が増加し、体熱産生機能が向上する可能性が示された。また低温環境における体温低下が抑制されることが示され、BATにおけるTRPM8遺伝子発現量も増加していた。記憶機能では新規物体認識能力の向上がみられた。以上の結果から、メントールの長期摂取はが体温調節機能の改善や記憶機能の向上に寄与する可能性が示された。
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