哺乳動物において必須の多価不飽和脂肪酸(PUFA)が欠乏すると体内でミード酸という内因性のPUFAが産生されるが、欠乏下における機能は未解明である。本研究では、脂肪酸不飽和化酵素FADS2の欠損マウスを用いて、食事性及び内因性のPUFAが著しく欠乏したときの肝臓の脂肪蓄積と食物アレルギーの病態に及ぼす影響を検討した。その結果、PUFA欠乏食を与えたFADS2欠損マウスでは炭素数と二重結合の多いPUFAである高度不飽和脂肪酸が著しく減少し、肝臓のコレステロールの蓄積が顕著で、炎症や線維化が亢進していた。また、高度不飽和脂肪酸欠乏マウスでは卵白アルブミンによる食物アレルギーの病態も悪化した。
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