研究課題/領域番号 |
20K02416
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 金城学院大学 |
研究代表者 |
長嶋 直子 金城学院大学, 生活環境学部, 准教授 (30459599)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 環境調和型 / 染色 / 酸化還元酵素 / ポリ乳酸繊維 / 堅ろう性 / 風合い / ラッカーゼ |
研究成果の概要 |
本研究では、環境調和型染色を目指し、ポリ乳酸繊維、天然染料、酵素を用いて検討した。その結果、カテコール構造を持つバイカリンはラッカーゼの酸化作用により濃色となり、ポリ乳酸繊維を濃色に染色することができた。また、ポリ乳酸繊維と綿を混紡した編地はポリ乳酸繊維100%組成の染色布に比べ、洗濯堅ろう度が向上した。染色後の風合いは圧縮特性が若干減少した。ラッカーゼによる色素の発色は、カテコール構造を有する色素やポリフェノール系色素以外には作用しにくい。分散染料染色を応用し、天然由来の界面活性剤サポニンを分散剤とすることで、アントラキノン系の天然色素によるポリ乳酸繊維の染色も可能となった。
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自由記述の分野 |
繊維染色加工
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでポリ乳酸繊維は生分解性合成繊維の一つであるものの、合成染料や石油由来の助剤による染色が行われてきた。環境調和型の繊維染色加工の実現には、それらの代替を検討する必要があった。本研究は、酸化還元酵素ラッカーゼによる色素の発色により、石油由来の染料、助剤を用いずにポリ乳酸繊維の染色を可能とした。また、生体由来物質である酵素を使うことで染色廃液による環境負荷低減に寄与できる。さらに、ポリ乳酸繊維に綿を混紡した染色布は洗濯堅ろう性が改善され、衣料用途としてポリ乳酸繊維の可能性を見出すことができた。以上の成果は、これからの衣生活、循環型資源による繊維染色加工の実現に向けた一助になると考える。
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