研究課題/領域番号 |
20K02434
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
内山 千鶴子 目白大学, 保健医療学部, 教授 (70433670)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 言語聴覚士養成教育 / 教育ガイドライン / モデル・コア・カリキュラム / 臨床実習教育 / 実態調査 |
研究実績の概要 |
研究計画では、最初に養成校教員と臨床実習施設の実習指導者へ臨床実習教育に関するアンケート調査を実施し、臨床実習教育の実態を明らかにすることであった。アンケートの内容は臨床実習時の実習形態、時間数、単位数、指導内容、評価法などである。さらに養成校へは、実習前後の教育内容として、実習前の学生の知識、技術、態度の能力評価、実習後の指導内容も調査した。アンケート調査は2020年9月から研究協力者と協働で作成し、2020年12月に言語聴覚士協会の理事会で承認を得た。2021年2月に養成校へはST協会教育部のメーリングリストを使用し配布した。臨床実習施設へは言語聴覚士協会のホームページでの案内し、ホームページ内の電子ファイルでの送受信を通じてアンケート調査を実施し、情報を収集した。養成校は80%の回収率だった。臨床実習施設は373施設から回答をいただいた。結果は只今分析し、言語聴覚士協会と全国リハビリテーション学校協会で今後公表する予定である。この情報は、今後実施される予定である言語聴覚士学校養成所指定規則の改定に活かされると推測している。 研究計画の2つ目は諸外国の臨床実習教育を実態調査する予定であった。しかし、新型コロナ感染症の影響で諸外国への渡航が禁止されたため、調査は進んでいない。情報を収集するために今後は新たな収集方法を検討する必要がある。その一つとして、オープンアクセスの雑誌「Impact」に研究内容を掲載した。諸外国へ発信された情報で関係者からのアクセスを期待している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画の1つである臨床実習教育の実態調査は順調に進んでいるが、2つ目の諸外国の教育内容を調査することは新型コロナ感染症の影響で全く進んでいない。新たな情報を収集するために今後は方法を検討したい。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は2月に行ったアンケートを集計して結果をまとめる。その結果から臨床実習指導の目標と評価の原案を研究協力者と協働で作成する。アンケート結果を公表しつつ、養成校教員や臨床実習指導者から臨床実習指導の目標と評価の原案について意見を聴取し、修正を繰り返す。アンケート結果と臨床実習指導の目標・評価修正案を、「言語聴覚士養成学校指定規則」の改定に向けての情報に役立つよう、日本言語聴覚士協会に提供する。また、諸外国の情報収集に関しては、英米の言語聴覚士養成校のホームページなどから遠隔で連絡できる方法を探索する。 2022年度は臨床実習評価の修正案から指導方法の検討を行う。臨床実習指導を中心とした、新しいカリキュラムの原案を作成し、言語聴覚士協会に提供する。その際に、言語聴覚士養成教育先進国の情報が必要なので、新型コロナ感染症の改善と渡航状況を勘案しながら、2021年に遠隔で収集した情報を検討して渡航できる諸国へ情報収集することもあり得る。特に、臨床実習教育では、様々な環境下での教育活動の様子を体験することが重要な要素であるが、このことが新型コロナ感染症の影響で極端に限定されてしまったため、情報不足となっている。2022年以降に自由に渡航できる、あるいは遠隔でも情報収集できる条件が整えば、情報を収集して研究を完成させる予定で進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究初年度は言語聴覚士養成教育における臨床教育の実態を調査するため、養成教育先進国の北アメリカ諸国へ渡航する予定であったが、新型コロナ感染症の影響で渡航できなくなり、旅費を使用していない。2021年度以降は、新型コロナ感染症の状況を見極めながら、情報収集していく予定である。
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