研究実績の概要 |
予定していた海外・国内での史料調査を、新型肺炎問題による渡航制限や諸機関の利用制限により実施できなかった。そのため、研究史、あるいは公刊されている史料・以前に収集済の史料の再検討を行う方向に方針を切り替えざるを得なかった。 特に、史料調査が困難な状況下での代替策として、今後は関西学院大学学院史編纂室所蔵のマイクロフィルムの活用を図りたく、その全貌を把握することに努めた。当該史料群は1982年頃、塩入隆氏・平林広人氏といった関係者の手により、現地(ヴィクトリア大学)にて日本関係の記事部分が撮影され、関西学院大学での保管・所蔵にいたったものと考えられる。しかし現在、膨大なリールが系統的に整理された状態にあるわけではない。そこで残された記録を精査し、以下のとおりに史料群をカテゴライズした。 ①The Missionary Outlook(1881~1925),②The United Church Record(1925~1939),③Missionary Society Notice(1858~1878),④Report's of the Methodist Church of Canada(1874~1912),⑤The Missionary Bulletin(1903~1921),⑥Annual Report(1872~1900),⑦Minutes(1888~1900),⑥Woman's Missionary Society(以下WMS)Reports(1881~1926),⑦WMS Annual Report,⑧WMS Japan Minute Books,⑨Letter Book of Dr.Sutherland,⑩Letter Book of Dr.McDonald,⑪Report of Dr.Carman. これをみると、カナダ・メソジストの日本での活動に関しての全般的なカバーが試みられ、報告書や会議録の類については網羅的に収集がなされたものと考えられる。また、宣教団本部のサザーランドの方針や意図も、すでに射程に収められていたことがわかる。一方で、個々の宣教師の次元においては、特にマクドナルドへの着目がなされ、他の来日者に関しては、必ずしも網羅的な検索が行われなかったものと推察される。
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