研究課題/領域番号 |
20K02483
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 智子 京都大学, 教育学研究科, 教授 (00379041)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | カナダ・メソジスト / 中学校 / ミッション・スクール / 東洋英和 / プロテスタント・キリスト教伝道 / 私立学校 |
研究実績の概要 |
いわゆる新型肺炎問題により、海外でのカナダ・メソジスト宣教師文書収集をはじめ、予定していた史料調査を計画通りに実施しづらい状態が続いている。海外での調査の代わりに、2020年度に新装移転会館成った東京都公文書館における関連史料(公文書)の収集活動を充実させ、すでに手元に収集済のカナダ・メソジスト関連の宣教師文書(本部から各宣教師宛の書簡ならびに機関誌上の記事を整理することに傾注した。 また研究テーマの「教育事業」について、医療方面での活動を含むものと広く捉えること、西日本を中心に活動を繰り広げた別の来日宣教団、アメリカン・ボードの事業との比較検討を念頭におくこと、の二点を心がけ、国内にて関連史料を収集しやすいアメリカン・ボードの事業にかかわる研究を、学会発表ならびに論文のかたちにて公にした。そこでは、宣教師と「協同」しつつ「結社」する日本人各勢力を析出し、「学校」のみならず「病院」としてその場が結実する様相を描いた。合わせて、そのような「結社」の制度史的な背景をおさえることを心がけた。 1870年代から80年代にかけての「協同」は、府県の特性・方向性によって規定される側面が大きい。カナダ・メソジストの活動地域(静岡・山梨・金沢等)は、東京を除き開港地ではないため、外国人の活動に対する制約が強く、県当局の判断に左右される面が大きいことが予想される。 なお、以上の研究活動とは別に、近代日本キリスト教宣教史に関わる著作に対する書評もおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型肺炎問題により、史料調査が難航し、特にカナダに渡航しての史料調査がいまだに実現できずにいる。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は海外渡航や各施設の開館状況も改善され、思うような史料調査が可能となることが見込まれるため、機を逃さず捉えて調査を実現する。また、国内のカナダ・メソジスト関連機関(関西学院大学等)においての補完的史料収集に努める。なお引き続き、「教育事業」を、医療方面の活動も含めて広義に捉え、公文書ならびに個人資料の収集に尽力する。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外調査を延期しているため、次年度使用額がかさんでいる。 今年度は、新型肺炎問題の状況に規定されはするが、調査を実現する予定である。
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