研究成果の概要 |
本研究では,9ヶ月児健診においてASDの特性が示された子どもの保護者に, 生後10ヶ月から始められる保護者トレーニングを実施し,標準化検査を用いて介入の効果を検討した.本保護者トレーニングは,オンラインの自己学習教材と18ヶ月時の個別相談で構成し, 個別相談は保護者の希望の有無で選択できるようにした. 介入の効果は,生後10・18・24ヶ月時に,適応行動や発達指数, 保護者の育児ストレス等で評価した. その結果,子どもの 適応行動得点は経時的に下降したものの,発達指数は上昇したことが示された.また保護者の育児ストレスも顕著な上昇をすることなく経過し,社会的妥当性もアンケート調査により示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により, 生後10ヶ月から家庭で始められる保護者トレーニングプログラムが完成する. 広く, 安価に, 簡便に配布することが可能なオンライン教材と, 再現可能な実施マニュアルを作成することで, 早期発達支援の地域格差をなくし, 保護者トレーニングを広く普及することが可能となる.さらに, 介入の効果を客観的にかつ経時的に評価したことで, 本研究の成果を海外の研究と直接比較することができ, 発達支援の国際的なメタ分析に寄与することが可能になる.
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