研究課題/領域番号 |
20K02784
|
研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
佐々木 宰 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (40261375)
|
研究分担者 |
福田 隆眞 山口大学, その他部局等, 名誉教授 (00142761)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | アジア / 美術教育 / 創造性 / 実質化 / カリキュラム |
研究実績の概要 |
研究の目的は,シンガポール,マレーシア,インドネシア,台湾等のアジア諸国及び地域の美術教育において「創造性とイノベーション」「新しい価値を創造する力」の育成のための教育内容と実施状況,さらに創造性や新しい価値の内実がどのようなものかを明らかにし,これを社会・経済・文化的背景を踏まえて分析することを通して,アジアの美術教育の特徴的な機能として創造性開発を位置づけることである。 具体的な達成目標は次の通りである。(1)上記の地域の美術教育において,「創造性開発」や「新しい価値観の創造」のための能力育成がどのように計画,実施されているかを明らかにする。(2)美術教育の成果としての「創造性開発」や「新しい価値観の創造」が,具体的にどのような能力や価値観として学習者に認識されているかを明らかにする。(3)これらを社会・経済・文化的背景を踏まえて分析し,アジアの美術教育の特徴的な機能として創造性開発を位置づける。 令和2年度は,新型コロナウイルス感染症の拡大のために,予定していた現地調査を全く実施することができなかった。また,研究代表者及と研究分担者の対面での打ち合わせも,国内移動による感染拡大の危険性があるために,実施することができなかった。そのため,それぞれ入手できる文献やデータ,メール等で可能な情報収集などの手段で,アジアの対象地域のカリキュラム改革,美術教育カリキュラム,創造性教育などの状況把握を行った。 達成目標(1)に関する成果として,シンガポール,マレーシア,インドネシアについては,カリキュラム改革の推移を把握し,最新の美術教育カリキュラムと創造力開発との関連を確認することができた。また,アジアにおける美術教育の内容構築の共通性を確認することができた。さらに,対象国の関連地域として,中国の美術教育における創造性育成について,カリキュラムとの関係を把握することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による調査対象国への渡航が困難になり,予定した調査を実施することができなかったこと,さらに渡航の可能性についての見通しが立たない状況であったことによる。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の状況が見通せないものの,電子メールやWeb会議などの方法で対象国の関係者への調査の方法を模索する。仮に対象国への渡航が認められるようになっても,学校などの教育関係機関,教育省などの政府関係機関への立ち入りや取材が制限されることが予想されるが,代替手段の模索を継続する。 令和2年度と同様に,現地取材以外で可能な文献調査や情報収集のほか,上記の代替手段による間接的な調査結果を用いて研究を進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大のために,調査対象地域への渡航が困難になり,当初予定していた旅費を使用することができなかったため。研究打ち合わせのための国内移動も,感染の急拡大があったため直前に中止とし,航空運賃のキャンセル料金として旅費を使用した。 令和3年度も依然として見通しが明確にならないものの,渡航の可能性が出てきた段階で対応できるように,調査対象国の協力者との情報交換を踏まえて準備を行う。
|