大学生が異質な他者と対話し協働する力を養うための有効なモデルや方法論を検討するため、フィンランドを事例に質的調査を行なった。2000年以降、欧州で出現した教育の国際化イニシアチブInternationalization at Home(IaH)の導入状況、実践内容、成果について聞き取った。その結果、大学の国際競争の激化と国内の多文化化の進展が、IaHを強力に後押ししている状況が理解できた。IaHは重要な戦略の一つであるが、国際部署に一元化するのではなく、専門分野に関わらず各学部が教育課程に組み込まれていた。国際的学びや異文化対応力を養う機会を全学生に保証しようとする大学の試みが明らかになった。
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