研究課題/領域番号 |
20K03123
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
深見 俊崇 島根大学, 学術研究院教育学系, 教授 (80510502)
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研究分担者 |
木原 俊行 大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 教授 (40231287)
島田 希 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (40506713)
廣瀬 真琴 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (70530913)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | レジリエンス / 教師教育 / BRiTE / オンラインプログラム / 質問紙調査 |
研究実績の概要 |
本研究は,オーストラリアの研究者らが開発したレジリエンス形成プログラムである"BRiTE"を基に,レジリエンスについて学習する機会が十分保障されていない日本においてそれを体系的に学習するオンラインプログラムとして「日本版BRiTE」を開発することを目的としている。"BRiTE"の視点に基づく教員志望学生・現職教員のレジリエンス形成プログラムの開発(2017年度~2019年度)では,自身が取り組めていない点や自覚していなかった点を学習でき,ポジティブな成果を確認することができた。しかし,ワークショップ形式では受講者の日程調整が難しく,受講希望があったとしても実施者のスケジュールに合わせざるを得なかった。また,BRiTEはオンラインで個別学習するために開発されたものであるため,ワークショップではある抽出した部分に限定されていた。日本語で取り組むことができるオンラインプログラムを開発することはこの2つの課題を克服するものとなる。 2020年度は,日本における教師のレジリエンスに関する基礎データ収集と"BRiTE"の翻訳を主たる研究活動であった。質問紙調査については,研究計画当初よりかは協力者の人数が少なかったものの,200名程度のデータを収集することができた。データからは,熱意をもって仕事に取り組んでいたり,困難に直面しても学びに転換する姿勢が見出された。一方で,問題が生じた際に自身の問題と捉えたり,ワーク・ライフ・バランスが保ちにくかったりする傾向も浮き彫りとなった。そして,"BRiTE"を構成するモジュールはおよそ100あるが,その翻訳作業については今年度中に完了することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウィルス感染拡大防止に伴う授業のオンライン対応に注力せざるを得なかったため,質問紙調査の着手が遅れた。そのため,研究成果を公開するまでに至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は,2020年度の翻訳の成果に基づき,BRiTEオンラインプログラムの構築を進めていく。それが完成した後,現職教員15人(若手・中堅・ベテラン各5人)に取り組んでもらい,その評価結果を質問紙並びにインタビュー調査で確認する。その結果を基に,オンラインプログラムの改善・修正作業に着手する。 2020年度に公開できなかった質問紙調査の結果についても論文等で公表していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルス感染拡大に伴い学会大会や研究会がオンライン開催となり出張の旅費がなくなった点が最大の理由である。それらで使用しなかった経費については,オンラインプログラムの開発経費に充当する予定である。
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