研究課題/領域番号 |
20K03204
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
大島 崇行 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (60824224)
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研究分担者 |
大前 佑斗 日本大学, 生産工学部, 助教 (00781874)
八代 一浩 山梨県立大学, 国際政策学部, 教授 (30312177)
高橋 弘毅 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (40419693)
水落 芳明 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 副学長 (40510053)
榊原 範久 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (50824231)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 振り返り / CSCL / アクティブ・ラーニング / メタ認知 / 分析システム / 教師教育 |
研究実績の概要 |
本研究は,アクティブ・ラーニングにおける振り返り分析支援システムの構築を目指すものである。学習者がタブレット端末に振り返りをテキスト入力し、 送信されたデータをクラウド上で自動分析し、分析結果を教師や学習者にフィードバックするシステムを開発する。そして、このシステムを用いて実際の授業における効果を検証し、アクティブ・ラーニングにおける振り返り分析のフィードバックシステムを構築する。1年目は,システム構築のための学校現場の実態を調査し,以下の課題を明らかにした。 学習者が主体的に学ぶ授業をデザインすることにおいて,学習者が自らの学びをメタ認知することが重要な要素の一つとされるが,学習者が振り返りに記述する内容は,授業の感想や学習した内容が中心であり,自分の学びの姿や他者との関係性,そして,次の学びへの接続などについては,十分に振り返ることはできておらず(大島・阿部・村山・岩澤,2021),教師による支援が求められる。一方,教師の多忙化が叫ばれてる実態において,教師が日々の授業実践について省察するゆとりはなく,授業改善がしづらい状況にある(阿部・大島, 2021)。更に,授業は,アクティブ・ラーニング型授業への改善が求められているが,その授業デザインにおいては,学習者が多様な学びの様相を示す(村山・ 大島,2021)。従って,その実態把握は容易ではない。これらのことから,学習者が自身の学びの姿を振り返り,次への学びへと繋げるための支援が必要だが,その支援システムは多忙な教師が簡便に分析可能なシステムにすることの重要性が示された。2年目は,これまでの研究を受け,ICTを活用し学習者の振り返りを集約するシステムを開発し,そのデータをもとに行う教師の振り返りを分析した。その結果,システムの有効性を確認できた。また,分析により得られた課題をもとにシステムの改善を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスにより学校現場での調査研究に遅れが生じた。その結果,1年目に調査結果を受けシステム設計まで行う予定だったが,それが2年目の研究に先送りとなった。 2年目にシステム設計し,それによる振り返りの分析を行った。その結果は,学会で発表している。今後論文投稿する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
1・2年目は振り返りの実態調査を行い,その研究成果を受け,振り返り支援システムの設計と,システムの搭載,学校現場での試行と評価を行った。さらに,評価することでシステムの改善を行った。 3年目には,改善したシステムを用い授業実践を行い評価をする。さらに,教師の省察への影響を調査し,教師の日常的な研修に与える効果を検証するなど,開発による応用研究を行なっていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスにより,実践研究に遅れが少し生じていることや情報収集や学会発表における旅費等,当初の計画の通りに進めることができなかった。今年度は,昨年度できなかった計画実施や,また,昨年度の課題を受け新たに計画を修正し,研究目標達成に向けた学校現場での実践研究,システム開発に使用する。
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