研究課題/領域番号 |
20K03344
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
外山 紀子 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (80328038)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 共存モデル / 病気理解 / 概念発達 / 生気論 / 食事場面 / 内在的正義 / 説明モデル / 新型コロナウイルス感染症 |
研究成果の概要 |
子どもの頃の未熟な理解が論理的で科学的な理解に置き換わるという発達観ではなく,未熟な素朴信念と科学的知識が生涯を通じて共存するという発達モデル(共存モデル)にたち,病気理解の発達を検討した。素朴信念は科学的知識同様,より洗練された説明体系となっていくこと,科学的知識との統合が進む場合もあることが示された。理解の社会文化的基盤について検討するために,保育園の食事・衛生習慣実践の観察を行った。新型コロナウイルス感染症の感染拡大により当初予定していた文化間比較はできなかったが,日本国内において感染拡大前後の比較を行い,子どもの理解が社会文化的に構成されるプロセスについて示唆を得ることができた。
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自由記述の分野 |
発達心理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
共存モデルにたつ理解の検討は病気・人類の起源・死等について進んでいるが,共存形態および共存の源泉に関する検討は国際的にも十分でない。本研究では発達初期には科学的知識と素朴信念が独立しているものの,徐々に統合されていくこと,統合の個人差は教育歴や病歴だけでは説明できないこと,さらに「どのように」(how)の問いではなく「なぜ」(why)の問いに答える形で素朴信念に基づく説明が説明力をもつことを明らかにした。ここに学術的意義がある。COVID-19の感染拡大により病気・衛生に関する理解をとりまく社会的状況に変化がみられたこと,その影響が大人の子ども観にも及ぶことを明らかにした点に社会的意義がある。
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