自閉症は世界中で深刻な問題となっており,患者数も増加傾向にある。原因を解明し治療法を開発することが喫緊の課題である。その手段として,自閉症患者と同じ遺伝子異常を持つモデルマウスの開発が進んでいる。自閉症の原因遺伝子が特定されれば治療法開発も可能になる。そこで日本で開発された自閉症モデルマウスを対象に,主要な症状であるコミュニケーション障害の解明を行った。その結果,内匠らが開発したモデルマウスには超音波コミュニケーションの変異が明白に認められ,自閉症モデルマウスとして妥当性が高いとの結論に達した。今後,コミュニケーション障害発症プロセスの解明や遺伝子治療法の開発への応用が期待できる。
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